乗用車と西鉄バス筑豊(同市)の貸し切りバスが衝突し、バスが道路脇の約1メートル下の田んぼに突っ込んだ。
乗用車の自営業男性(25)=福智町=が腰の骨などを折る重傷を負い、
バスに乗っていた県消防学校(嘉麻市)の男子学生54人のうち21人と運転手男性(48)の計23人が病院に搬送された。
飯塚署によると、自営業男性以外はいずれも軽傷。
現場は見通しのいい直線道路。
飯塚署によると、中央線を越えた乗用車を避けようとバスが左にハンドルを切り、田んぼに落ちた。
県道は、バスをクレーンで撤去するまで約1キロにわたって約4時間半通行止めになった。
県消防学校によると、同校は4月に開校した全寮制で、学生たちは13日に入校した県内自治体の消防職員。
同校は週末を自宅などで過ごした学生のため、毎週月曜の朝にJR桂川駅(桂川町)から同校までバス2便を
同社に委託して運行させており、事故はその運行中だった。
バスに乗っていた粕屋南部消防本部の中村海斗さん(20)は
「混乱もあったが、乗用車に閉じ込められた男性を助けようと、力を合わせて救急活動に当たった」と話した。
■消防学校生「初の現場」で迅速救助
飯塚市平塚の県道で17日、乗用車と県消防学校の貸し切りバスが衝突した事故で、
バスにはこの日から訓練を始める予定だった同校の学生54人が乗っていた。
学生のほとんどは救助活動の経験がなかったが、
自らも被災者となった現場で、乗用車に閉じ込められた男性を助け出そうと、必死に対応に当たった。
事故当時、バス前列にいた水町優介さん(21)=筑後市消防本部=は
「何が起きたのか分からなかったが、乗用車に要救助者が見えた」と、
無事だったほかの学生とともにバスから駆け降りて救助に。
救急救命士の資格をもつ中村竜さん(21)=直方鞍手広域消防本部=は、男性の脈拍数や意識レベルを調べた。
「座席とハンドルに体が挟まれ、呼吸が乱れていた」と冷静に対応できた。
現場は通行量が多い。
むやみに男性を車外に出すと二次被害の恐れもあった。
学生たちは連携し、男性の首をタオルで支え、ゆっくりと運転席を下げ、呼吸できるスペースを確保した。
近くにいた学生も、通行車両の誘導などをした。
「自分の力不足も感じたが、配属前に気が引き締まった」と水町さん。
中村さんは「初めての現場で焦りもあった。仲間と一緒で冷静になれた」と話した。
写真:乗用車と衝突し、田んぼに突っ込んだ貸し切りバス
http://www.nishinippon.co.jp/import/f_chikuhou/20170418/201704180002_001.jpg
写真:クレーンでつり上げられるバス
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以下ソース:西日本新聞 2017年04月18日09時57分 (更新 04月18日 10時15分)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_chikuhou/article/322461