神奈川県平塚市の介護付き有料老人ホーム「湘南ふれあいの園 平塚」で、40歳代の女性職員が80歳代の女性利用者を虐待したとして、市が高齢者虐待防止法に基づき、施設に改善指導を行っていたことが分かった。




 同施設を運営する有限会社「湘南ふれあいの園」(茅ヶ崎市)によると、女性職員は今年3月18日、入浴介助の際にカミソリを使い、女性利用者の下半身の毛をそった。女性利用者は認知症で、別の職員が被害に気づき上司に報告したという。

 同社の聞き取りに対し、女性職員は「介護のために必要だと思った」と説明。しかし、通常は不要な行為のうえ、何らかの事情で必要だったとしても独断で行うのはおかしいとし、問題行為と判断した。

 女性職員は自主退職したという。

 市に4月に情報提供があり、5月に同施設の任意調査を実施。介護記録などの提出や、職員らから聞き取った結果、虐待を確認したという。同社はすでに、再発防止策をまとめた書類を市に提出し、職員を対象に虐待防止の勉強会を行っている。

 同社は「今回の件を真摯しんしに受けとめたい」としている。