海外において、日本の音楽のファン層は急速に拡大しており、バンドもようやく海外へ赴くようになり、現地のファンとのつながりを持とうと行動し始めた。しかし、V系以外の他のどのジャンルの売上も、V系と比較して五倍の大差をつけたのだ。
各ヴィジュアル系バンドについているファンは無数にいるのにもかかわらず、なぜV系のアルバムの売上はまるで振るわないのか、俺は自問した。
結局、V系の音楽を売る唯一の方法は、リリース日直前までのゴリ押しと結果としての購入予約以外にはないことが分かった。リリース日以降はすぐに売れなくなってしまう。
その理由は明快で、バンド、レーベル、または楽曲制作に時間と金銭を投資した関係者らの許可なく、音楽ファイルがネットにアップロードされてしまうことだ。
ネット上の多くのユーザーが、他のV系ファンへ音楽を無料でダウンロードさせることに誇りと喜びを持っていて、さらに重要なことは、アーティスト、音楽プロダクション、レコードレーベル、著作権管理団体、撮影者などの許諾なく行われているということなのだ。
これが、ヴィジュアル系がリリース日以降に売れなくなる理由だ。
俺が言いたいことは、ネットで音源を不法に頒布する行為が、アーティストに対してだけではなく、巡り巡って結果としてはファン自身へともたらされる問題であるということなのだ。
俺はV系のアルバムの売上がまったく増加していないという事実にも気がついている。
もしあなたが他の誰かに、まだ聴いたことがないであろう音楽を紹介したい場合は、その楽曲をネットで頒布せずに、ただ単に送るか、YouTubeのPVのリンクを送るだけに留めてくれないだろうか。
アーティストのわずかなチャンスを瞬時に抹殺するような行為は、どうか慎んでください