1960 年 代:1 県 複 数 局化とともに進むネット ワーク形成 1. ニュース分野から固定化するネット ワーク
田中角栄郵政大臣の一斉予備免許に伴う 民間テレビ局の開局は1960年代前半には落 ち着きを見せた。

新たな開局は1960年に5 局開局したあとは,1961年がゼロ,1962年 が 3 局,1963 年が 1 局,1964 年が 1 局で, 1965年から1967年にかけての開局はなかっ た。

しかし,民放の数が大きく変化しない一 方で,ネットワークの実態はそれまでのあり 方が次第に変化していくことになる。
ネットワークの成立理由については、おお むね次の3点があると整理されている。すな わち,(1)地上放送は放送対象地域が限定さ れているので、全国ニュースの取材のために
は各地域の放送事業者が連携する必要があること、(2)複数の放送事業者が同一の番組を 放送したほうが,単独で放送するよりも1社 当たりの制作費が少なくて済むという規模の経済性があるため、
番組交換の枠組みを作る 必要があること,(3)全国的な広告を希望す る広告主の要請に応える必要があること,で ある33)。