2008年『アイアンマン』に始まったMCUの集大成たる映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』はドラマの世界までフォローする作品ではない。
あくまで映画の世界で織り上げられてきた物語の到達点であり、ドラマとのクロスオーバーは見送られたのである。脚本家のクリストファー・マルクス&スティーブン・マクフィーリーは、その検討の経緯について語っている。

「こんな話をしたことがありました。“ルーク・ケイジを出すべきだろうか? ニューヨークが舞台なんだし……”といったことをね。でも言えることがあるとすれば、(仮に実現しても)今の時点では見せかけのカメオ出演になってしまうということなんです。
それに僕たちは(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で)MCUの映画作品をたくさん扱おうとしていました。
そこへ、さらに“ストリーミング・サービスを使ってるのかどうか知らないけど、そっちの知識も持っておくべきだ!”と訴えるのは、観客に多くを求めすぎというものですよね。すでに多くを求めているのに。」

またマルクスは、ストーリーテリングの面から映画とドラマのクロスオーバーが難しかったことも明らかにしている。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のラストではサノスの「指パッチン」で全宇宙の生命が半分に減らされ、スパイダーマンやドクター・ストレンジ、ブラックパンサーらも消滅してしまう。
そんな物語にデアデビルやジェシカ・ジョーンズらを登場させれば、今後のドラマに影響が出ることは避けられないのだ。

「彼らは来年(2019年)、次のシーズンを控えているわけです。(ドラマの世界から)多くのキャラクターを登場させておきながら、その大勢を消滅させないわけにはいきません。
でもそうすると…“来年の『デアデビル』はロザリオ・ドーソン(クレア・テンプル役)が主演です!”ってことになってしまう。彼女がコスチュームを着てたら面白いでしょうけど、みんな混乱しますよね。」
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