転載

Q. 10月になったが調子はどうか?

ここ数ヶ月、本当に忙しかったが今月もまた忙しい日々を過ごしている。
でも、ようやく1つのフェーズが終わろうとしている。
僕はついに自分の『軸』というものを見つけたんだ。
それは人間としての軸であり、漫画家としての軸であり、生活スタイルの軸だね。

Q. ここ最近、インタビューが少なかった理由は?

課題が山積みだったからかな。
それは山篭もりの修行をしていたようなものだ。
今もそれは続いているのだけど、さっき言ったように1つのフェーズの変わり目に差し掛かっているよ。

Q. ところで世間では鬼滅の刃が大ヒットしているが、それをどう思う?

漫画家が最強である事を証明してくれて、僕としてもすごく嬉しく思っている。
このコロナ禍の中でこれだけのお金と人を動かし、世の中を盛り上げる事が出来るのが漫画の力なんだ。
僕がかねてからエンタメにおいて漫画家以上の職業は存在しない、漫画家はエンタメの王だと言っていた事が見事に結果となって現れているよね。

Q. 悔しさはないのか?

全くない。
それより漫画のポテンシャル、漫画家のポテンシャルというものを改めて確認出来た事が僕にとっては嬉しい。
僕が最高の漫画を描けば、それよりすごいムーブメントを起こせるという事なのだからね。
だから鬼滅の刃の成功は、僕にとっての希望そのものでもあるんだ。
鬼滅の刃の映画には千と千尋の神隠しの記録を超えて欲しいと思っているよ。

Q. ONE PIECEが鬼滅の刃にボロ負けしたのをどう思う?

もうONE PIECEの時代ではないという事だろう。
少し前から、僕は新しい時代の風を感じていたものだけど、ここに来てハッキリと目に見える変化が現れ始めたよね。
これは新しい漫画の王の出現を意味する、鬼滅の刃がそうなのではない、鬼滅の刃はそのきっかけに過ぎない。
言ってみれば鬼滅の刃は前座だ、真の王、王の中の王はこのあとにやって来る。