場の空気を変えるのは「意識の揺らぎ=意識の働き」

小学校の放課後の校庭は、
冬の冷たい空気の中で太陽の陽が差し込む陽だまりの中、

子供たちの賑やかな笑い声が重なり合い、砂埃がふわりと
舞い上がるたびに、その場の空気は柔らかく揺れていた。

鬼ごっこをしている子、縄跳びをしている子、
ただ座ってその様子を見ている子、女の子同士笑い合ってる
それぞれが楽しい時間を過ごしていた...

そんな時だった。空気が何かを察したように揺らいだ。
校庭の端からゆっくりと三人の少年たちが並んで歩いて来た。
彼らはクラスで知られるいじめっ子三人組。

歩くたびに、まるで空気が押しつぶされるように
場の揺らぎが少しずつ硬直していく。
笑い声は小さくなり、走っていた子の足は止まり、

いじめっ子は一人で砂場に座っていた弱そうに子に目を付けた。
「おい、お前また一人かよ。何してんだよ。見せてみろよ」
その声は大きくはなかったけど場の空気を一瞬で変えるには
十分だった。

おとなしく弱そうな子は肩をすくめ、砂を握り締めたまま
動けなくなった。周りの子たちは見て見ぬふりをするように

視線を逸らす。あたりの空気は一気にピーンと張りつめ、
まるで校庭全体が息を止めたようだった。

その時、一人の女の子がそっと弱い子の傍に歩いて行った。
彼女は何も言わず、ただ隣に座った。三人組の一人が
「なんだよ、お前?」女の子は何も答えなかった。

ただ弱い子の肩にそっと手を置いた。
その瞬間、場の空気がわずかに揺れた。
張り詰めた意図がほんの少しだけ緩むように

それに気づいた別の子が近づいてきた。
更にもう一人、そしてまた一人。誰も何も言わない。
ただ、弱い子の周りに集まってくる。

三人組はその光景を見て顔をしかめた。
「つまんねぇー」「ばからしい」「帰ろうぜ」
そう言って三人は校庭の端へと去って行った。

彼らが遠ざかるにつれ、場の空気はゆっくりと
本来の温かさを取り戻していった。

"場の空気は、個の意識が全体の意識を変える"

 この世界は意識の世界なのです