永遠なる魂の旅の途中… @

ある数学者の青年・山本裕は、日々フラクタル理論に没頭していた。
彼はマンデルブロ集合の美しい図形を眺めながら、自然界の複雑さと
秩序に魅了されていた...

 …ある夜、研究室で眠りに落ちた裕は、不思議な夢を見る・・・
目の前に広がるのはフラクタルの森。一本の木を見上げると、枝が枝を生み、
 …葉が葉を生み、無限に繰り返される自己相似の世界・・・

…森を進むと、海岸線が現れる… 波打ち際はどこまで歩いても同じように入り組み、
 ・・・裕は「終わりのない旅」をしているように感じた・・・

 やがて彼は気づくーーー この森は、彼自身の思考の中にある
  ・・・無限の可能性の象徴なのだと・・・

 ・・・森の奥で裕は一人の老人に出会う… 老人は語る…
「フラクタルとは、世界の秘密を映す鏡だ。小さな部分に全体が宿り、
 全体は小さな部分に宿る。君の人生もまた、自己相似の連続なのだ。

ただの数学的構造ではない。自然そのものに神が宿り、秩序と混沌を
同時に生み出しているのだ。小さなフラクタルに宇宙が宿り、宇宙の中に
小さなフラクタルが宿る。自然は神の鏡であり、神は自然の中に息づいている」

 …やがて森の奥で、裕は光に包まれた存在に出会う...
その姿はヒトの姿をしていたが、芽には星々が宿り、声は風や水の音のように響いた。
「あなたは永遠なる素晴らしい魂の旅をしているのよ」そう語るとすっと消えた...

 …裕はまず、光の網の陽菜世界に入った...
…そこでは生命力が脈打ち、肉体を支える見えないエネルギーが流れていた…
 「これは命の基盤、生命の息吹 エーテル体よ」と声が響いた…

…次に彼は色彩の渦に包まれた… 喜び、怒り、悲しみが波のように押し寄せる…
「ここは感情の海、アストラル体。人の心はここで揺れる…」と囁きが聞こえた…

…裕は透明な空に浮かぶ… そこには言葉や概念が星座のように並んでいた…
「ここは思考の空、知性の領域、メンタル体。思考はここで形を得る」と声が告げた…