詐欺罪の構成要件
詐欺罪が成立するためには、@人を欺いてA錯誤に陥れB財物を交付させ、もしくは財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させる行為が必要となります。

@欺罔行為
詐欺罪が成立するためには、「人を欺いて」錯誤(錯覚)を生じさせることが必要です。このような相手方をだまし、錯誤に陥れる行為を欺罔行為といいます。
欺罔行為は人に錯誤を起こさせる行為であればよく、手段は定められていません。ただ、欺罔行為の相手は人でなければならず、機械(自動販売機やATMなど)から不正に財物を交付させた場合、機械は錯誤に陥ることはないので詐欺罪に当たりません。

A錯誤
欺罔行為があっても人が錯誤に陥らなければ、少なくとも詐欺既遂罪とはならず、場合により詐欺未遂罪が成立するにとどまります。要するに、欺罔行為によって相手方が現実に騙されることが必要であるということです。

B交付行為
詐欺罪が成立するためには、欺罔により錯誤を生じさせ、その錯誤により財物を「交付」させることが必要です。前述のように詐欺罪は相手方の意思による交付行為があるため、欺罔行為と交付行為に因果関係があることが求められます。


心神喪失者は「責任無能力者」とも言われ、刑法39条第1項にも心神喪失者の行為は罰しないと明記されています。 心神喪失者による犯罪行為は刑事罰の対象とはなりません

心神喪失者の例は、精神障害や知的障害・発達障害などの病的疾患、覚せい剤の使用によるもの、飲酒による酩酊などが挙げられます