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知的障がいのＮさん、再び不合格　高校受験　家族「学力選抜での不合格は差別」
公開日時 2019年04月11日 12:35
更新日時 2019年04月15日 11:13
　重度の知的障碍があるＮさん（16）＝沖縄県内の中学校卒業＝が2019年3月、2度目の沖縄県立高校受験に挑んだが、不合格となった。受験した1次募集の全日制、2次募集の定時制の2校はいずれも定員割れだったが、県教育委員会は「一定の点数が足りず、入学しても高校の教育課程をこなすことは難しい」としている。

　Ｎさんの家族は2019年3月28日に県教育庁を訪れ「テストで点数が取れないことが知的障碍の特性であり、今の選抜制度では本人の努力が反映されない。2次募集でも学力選抜で定員内不合格とされることは差別だ」と批判した。

　Ｎさんは沖縄県内の普通小中学校で学んだ。2018年度に重度知的障碍者として沖縄県内で初めて公立高校を受験したが不合格となった。

　Ｎさんの両親は受験を成立させるために必要な「合理的配慮」が十分でなかったとして、「沖縄県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例（共生社会条例）」に基づき、県に助言（あっせん）を求める申請をした。

　申請を受け、調整委員会は県教委の配慮が不十分だったと指摘した。今春の入試では調整委員会の提言を受けて、支援員の増員や代読・代筆が認められた。

　今回の不合格についてＮさんの両親は「合理的配慮に改善は見られたが、テストで得点すること自体が難しい息子の障碍特性が考慮されていないことは変わらず、努力を評価してもらえない」と話している。