またスーツが右翼的な動画を流してるな。生長の家の宣伝だ。
生長の家というと、原武史という政治歴史学者がいるのだけど、
彼も生長の家を中心とした本を書いて世に出た人だ。
原氏も団地出身である。団地と生長の家は関係があるのかも。

生長の家といっても無学なヒキたちは知らないだろうから解説すると、
昔大本という宗教があって、これは京都郊外の狐を拝むようなしょーもない
農民宗教だったのだが、それに出口というやくざ者が入り込み、裏神道みたいな
宗教として商売化したものである。出口はお稲荷さんから出雲に神様を替え、
天皇は偽で、自分が本当の天皇だなんて言ったもんだから不敬で逮捕された。
大本が弾圧されると、いやもう出雲は止めました、伊勢に鞍替えしますといって
寝返った一派が生長の家である。
三島由紀夫が自決したときにまわりにいたものこの生長の家の信者たちである。

しかし、もともと伊勢と天皇はほとんど関係がないのである。
明治時代まで天皇や上皇が伊勢に参ったことは一度もなくほぼ無関係である。
天皇家が宗旨していたのは熊野であり吉野であり、神仏習合であり、
真言宗である。皇族はすべて真言宗で出家していたし、墓も真言の寺にあるのである。
しかし、明治政府は仏教を嫌ったので、天皇を仏教から神道に付け替えて新たに
始めたのが国家神道という新興宗教である。その点同時代の天理教や黒住教と
大差ない。

伊勢は江戸時代に農民や商人が伊勢参りをやってブームになったが、
天皇と関係づけられたのは明治時代以降である。
だから、天皇を崇拝するために(天皇という呼称もほぼ明治以後だが、
それまではミカドといっていた)、伊勢に参拝するというのはかなり新しい社会現象に
すぎないのである。ま、神道系で出雲から伊勢に鞍替えした生長の家の信者ならではの
有りがたがり方であろう。