◆安倍元首相の訃報前にフライング投稿した、百田尚樹・山口敬之氏の虚栄心

訃報をスクープのように流す“お友達”の軽さも記憶しておきたい

死亡が確認された時刻より1時間以上も早くスクープが…

 一連の経過のなかで私が解せなかったのは、安倍氏の友人とされてきた人々のあまりに軽い振る舞いだ。元TBS記者の山口敬之氏は自身のフェイスブックに、死亡が確認された時刻より1時間以上も早くスクープのような形で「死去」を伝えた。作家の百田尚樹氏も午後4時59分に「亡くなられた」とツイッターで伝え、自身のYouTubeチャンネルの配信を予告した。

 なるほど、山口氏は独自のルートがあるのだろうし、記者たるもの公式発表より早く伝えたいという思いはわからなくもない。百田氏にも、百田氏の思いがあることは理解できる。だが、笑顔を浮かべる安倍氏とともに自身が写った写真を掲げた“スクープ”や、集中線や作り込まれた表情を多用したYouTubeのサムネイルから何を感じ取れというのだろう。

 そこに見え隠れするのは、「安倍氏と近い」自身の姿ではなかったか

 慎み深さを感じさせた政治家に比べて、旧来的な価値観のスクープ合戦の文脈に落とし込むこと、あるいは自身のメディアへ誘導するというあまりに軽い振る舞いがあった。保守派をまとめあげてきた安倍氏亡き後、彼らの影響力はどこに向かうのか。改めて注目しておきたい。

※編集部註:山口氏はその後、フェイスブックで「完全な誤報でした」と謝罪、「情報を下さった方」が誤っていたと説明した(10日午後)

※週刊SPA!7月12日発売号より