「それ何時間で終わる?」

もこうがネット活動から引退して、はや一か月。もこキッズは他のポケモン配信者や加藤純一、Vtuber、狩野、同世代のおえかきやスタヌ、そして高田健志の配信に移住していった。
youtubeのアカウント、果ては厨ポケ狩り講座等の古参動画も削除され、今残っているのは保管庫の動画のみ。王としての伝説は終わった。
加藤も高田健志も、もこう引退についてのコメントに全く触れなかった。
加藤「(もこう引退のコメントの中に一縷のとんかつコメ)…ああとんかつ!?もうネタにしてくれて構わねえからよおwとんかつの衣剥がすべーかして!」
高田「どんもー、…いやその話題はもういいでしょ」

ネタ切れ、それがもこう引退の決定打となったのだろう。あらゆるゲームをやり尽くした王はなにかやるゲームは無いかと、いつものように視聴者にキレ散らかしながらニコ生を配信していた。
「正直ゲームもうおもんないねん。時間かかるし。もうシャドバとかエーペックス以外やりたないねん」
マイナーなジャンルから懐古ゲーム、あらゆるゲームを提案されたにも関わらずその男はこの言葉を繰り返した。「それ何時間で終わる?」
どんなゲームに対しても、そう答えた。「それ何時間で終わる?クリアまでどんくらいかかる?」
そして終いには、自身の人生に対しても男は疑問を投げかけた。「それ何時間で終わる?」

それが、実況者もこうが最後に残した言葉だった。