【慟哭】
「しもべさん遅いなぁ……」
ルルとのデートの約束に遅れるなんて。いったいどこで油を売ってるんだろう。もう一度しもべさんに電話をかけてみよう。
「もしもし? ちょっと今どこにいるの? 早く来てよ!」
『あっ……ごめん! すぐ行く!』
どうやら何かあったらしい。通話は切れてしまったけど、すぐに来るって言ってたし大丈夫だろう。

―――十分後。インターホンの音が鳴り、ルルは耳をぴょこぴょこさせながらドアを開けた。
「えっ……?」
ルルは目を疑った。そこにいたのは紛れもなく栞桜だったから。
「どうしてあなたがいるの……!?」
「あ~やっと出た。待ってたんだよ」
栞桜はまるで自分の家のようにルルの家に上がり込んできた。そして当然のような顔をしている。
「何勝手なことしてくれてるの!? ここはあなたの部屋じゃないんだけど!」
「うるさいなぁ。私がこの家の主だって言ったよね? いい加減にしてくれないかな」
「何を言ってるの!?」
「ん? ああ、そういえばまだ教えてなかったね。私の本当の目的は……これだよ!」