演技性パーソナリティ障害の基本的特徴は、広い範囲の対人関係において、過度に注意を引こうとする行動です。無意識のうちに、他人との関係で役柄(例:犠牲者やお姫様)を決め、それを演じてしまうことがあります。
話題の中心になっていなければ気が済まず、泣いたり、周囲を非難したりすることがあります。何か作り話をしたり、騒動を起こしたりして注目を浴びようとするかもしれません。自殺のそぶりや脅しを行う危険性が高いとも言われています。
すべてのものを実際以上に重要に感じ、考え方や感情を誇張する傾向があります。些細な出来事をとめどなく悲しんだり、かんしゃくを起こしたりしますが、そうした表出は非常に速く出たり消えたりするため、真実味に欠けます。
この障害のある人は、男女ともに不適切なほど性的に挑発的、誘惑的な外見や行動をします。異性として興味のある人に対してだけでなく、仕事上知り合っただけの人や、自分の主治医などに対しても性的なアピールをする場合があります。
そのため、同性の友人と関係が悪くなりがちです。しかし、性的に積極的であるわけではなく、人一倍恥ずかしがったり、遊戯的(遊び半分の気分)だったりします。心理的な性機能障害を持っている人もいます。
また、強い調子で自分の意見を言いますが、その理由はたいていあいまいで、説得力に欠ける面があります。例えば、ある人のことをとても素晴らしいと言いながらも、裏付けとなる具体的な例を示すことができない、などです。
しばしば非常に熱狂的に仕事や事業を始めますが、その興味はすぐに薄れることがあります。 人間関係を実際より親密だと思っていることも特徴の一つです。
知人程度の関係の人にも「私のかけがえのない親友」と言ったり、一度や二度、診察を受けただけの医師を下の名前で呼んだりすることがあります。しかし、長期にわたる人間関係は、新しい対人関係から得られる興奮に取って代わられ、長続きしない傾向があります。
ほかに、この障害のある人は、他人の意見に影響されやすく、だまされやすい特徴もあります。