秒刻みのスケジュールをこなす高田健志が合間を縫って予定帳を確認したところ、今月できる呼吸の回数はわずか5回であった。
「これはいかん」
高田はつぶやいた。
「俺の体はもうもたないぞ……」
そこで彼は思いつく。
「そうだ! 俺は死ぬんだ!」
この事実を世間に公表すればいいのだ。そうすれば高田健志の死によって日本中がパニックに陥るだろう。それは彼の計画にとって好都合だった。なぜならばパニックは社会不安を引き起こし、経済活動に大きな打撃を与えるからだ。
高田は自分の死をもって日本中に経済的大恐慌を引き起こすつもりだった。そしてそれこそが彼の最終目的でもあった。