「おいもこう。大丈夫か?」
「か、カトォさん…」
夜中に突然の着信通知。画面に浮かぶ名前を見て俺はすぐ通話ボタンをタップした。
「オホホ、大丈夫って、何がですか?」
意図なんて分かりきっているのに惚けてみせる。どうか誤魔化せてくれと願いながら上手く動かない舌と口に喝を入れた。

「……」
帰ってきたのは沈黙。普段あれだけお喋りなうんこちゃんだからこそ、あまりにも重い沈黙だった。
「クカカ、そうか。悪ぃなもこうなんか勘違いだったわ忘れてくれ」
何時間にも感じられた沈黙を破ったのはそんな彼の言葉だった。
あんな安易な誤魔化しに効果はなかっただろうに。心遣いが辛い

「おー、そうだ。丁度自粛も開けたし2人で絆打ちにいかねえ?」
「その後はんじょうおにや辺り呼んで軽く飯でも食おうぜ。うまい店あんだよな」
「CRカップも終わるしスタヌ辺り誘ってみてもおもろいか。松ちゃんは、まあ要らねえなw」
「おーい、もこう。聞いてるか?……なんか電波悪いな」

「……グスッ…すいません……大丈夫っす。ちゃんと聞こえてます」
思ったように声が出ない。景色が霞んで鼻づまりで少し呼吸も苦しい。
それなのにそれが全く不快ではなかった。
「んだよ聞こえてんならちゃんと返事しろよ猿がよぉ。クカカ!」
電話口で彼はいつものように笑っていた。