「高齢者は死ね」「年金問題が解決する」鉄道系ユーチューバースーツによる高齢者差別発言が物議を醸している。

僕はスーツ氏の発言以上に彼の意見に賛同し、褒めそやすコメントが多数投稿されているのを見て、ゾクリとした。カルト教団の信者たちを思い出したからだ。

 かつて、オウム真理教の後継団体でひとりの信者が病気で亡くなった。すると、指導者が、

「彼が病気になったのは彼が修行を真面目にしなかったからだ。ああいう人は死んでも仕方がない。教団に入っただけでは救われないよ。もう2度と人間には生まれ変われない。よくて動物だね」

 と話し、亡くなった信者を蔑むように笑ったのだ。そして他の信者たちもそれに同調して、ゲラゲラと笑った。

指導者の言葉に同調し、仲間の死すら差別し笑う姿は痛切に恐ろしかった。スーツ氏の言葉にただ乗っかり、高齢者を同じ人間として見ていない“彼ら”の言葉に同じ空気を感じた。

 しかし、一般社会においてスーツ氏が発言した内容はさほど珍しいものではない。例えば飲み屋でサラリーマンと話をすれば、

「高齢者とかさっさと安楽死させればいいんだよ」

 などなど、高齢者を人とも思わない差別発言をする人はいくらでもいる。

確かにサラリーマンが酒を飲み、高齢者不要論を説いたとしても、現実に高齢者に危害が及ぶわけではない。だが、何万人という人に影響を与えるインフルエンサーの発言が、

「何もしていない」

と言えるのか?

 カルト教団の信者たちのように、人を人とも思わない価値観を増殖させることに繋がってくるのではないだろうか。