ニコニコ大百科に自称専門家が大誤算の動画に対して
科学的にメタメタに叩いてるね

>https://m.youtube.com/watch?v=63X2iCGF3ioexit

今回の動画も余りにも酷すぎるから長文になる。とてもツッコミきれない。

まずDaiGoの論理を整理。いじめを自慢する心理を科学的、心理学的に考察しますという枕詞を置いた上で
「いじめは生存に寄与しない個体を群れで排除するための生存戦略であるため、いじめは無くならない」
「ある集団の中で、平均から最も離れた性格を持つ者がいじめられやすい」
「親が子供を侮辱するような傾向があると、子供はいじめの加害者が被害者になる」
とのこと。三つともいじめの原因論の話であり、自慢のことはすっかり消え去っている。タイトルにも書いているのに。

一つ目だけど、チンパンジーの様に協力する傾向が低い動物は仮に参加しないメンバーにも餌を与えるが、人間の様に協力しあう動物はそれをせずに協力しないメンバーを攻撃したり排除するとのこと。
これはまるきり違う。いじめは集団を形作る動物であれば魚類や鳥類でも見られる現象であって、集団内の協調性がいじめの有無に影響するなんてことはない。ましてチンパンジーなんて霊長類の中じゃ一番と言っていいほど攻撃性が高い。
又、狩りに参加しないメンバーにも餌を与えるのは「互恵的利他主義」と呼ばれるものであって、進化心理学的に言えば見返りと血縁選択のため。
「怠け者にも餌を与えてたら怠け者が生き残っちゃう」と互恵的利他主義が進化の上で絶滅につながることを前提に話をしているが、血縁選択説では群れの個体の誰かさえ生き残れば種の保存が出来るという生存戦略が取られているため、集団への貢献度の話は論点がずれている。
付け加えれば「働き蟻の法則」という現象もあるので怠け者は一貫して怠け者だとは一概には言えないはずなんだけど。
というかそもそも種の絶滅は原因論ではなく結果論。ここに〇〇だから〇〇という論理を持ち込んでしまう事自体がまず進化心理学的に間違ってる。進化心理学を標榜して話してるくせに進化心理学の作業仮説である進化論すら全く理解してないってどうよ。ていうかこのレベル、多少頭いい高校生でも知ってると思うんだけど。
ちなみにアウストラロピテクスが人類の祖先かどうかは分かってないぞDaiGo。進化心理学の視点で何かを語るなら進化論も勉強しましょう。