「いい?ユキ君。ここから先はもうあなた一人よ。すべて一人で決めなさい。誰の助けもなく」

「僕は……だめだ。だめなんですよ。人を傷つけてまで、殺してまでニコ生に乗るなんて、そんな資格ないんだ。僕は、ニコ生に乗るしかないと思ってた。でもそんなのごまかしだ。なにも分かってない僕には、ニコ生に乗る価値もない。僕には人の為に出来ることなんてなにもないんだ!」

「リスナーに酷いことしたんだ。囲いも殺してしまったんだ。優しさなんかかけらもない、ずるくて臆病なだけだ。僕には人を傷つけることしかできないんだ。だったらなにもしない方がいい!!」
 
「同情なんかしないわよ。自分が傷つくのがいやだったら何もせずに死になさい」
 
「今泣いたってどうにもならないわ!」
 
「自分が嫌いなのね。だから人も傷つける。自分が傷つくより人を傷つけた方が心が痛いことを知ってるから……でも、どんな思いが待っていてもそれはあなたが自分一人で決めたことだわ。価値のあることなのよユキ君。あなた自身のことなのよ。ごまかさずに、自分の出来ることを考え、償いは自分でやりなさい」
「リスナーさんだって……他人のくせに!何も分かってないくせに!!」

「他人だからどうだってのよ!あんたこのまま辞めるつもり!?今、ここで何もしなかったら、あたし許さないからね!一生あんたを許さないからね!」
 
「今の自分が絶対じゃないわ。後で間違いに気づき、後悔する。あたしはその繰り返しだった。ぬか喜びと、自己嫌悪を重ねるだけ。でも、その度に前に進めた気がする」
 
「いい、ユキ君。もう一度ニコ生に乗ってケリを付けなさい。ニコ生に乗っていた自分に、何のためにニコ生にきたのか、何のためにニコ生にいるのか、今の自分の答えを見つけなさい」
 
「そして……ケリを付けたら、必ず戻ってくるのよ」
 
「約束よ……」

「行ってらっしゃい」

「大人のキスよ。帰ってきたら続きをしましょう」