家族や社会から認められない者が、認められないことを嘆いている限り自己否定に捉われ、傷つき続けなければいけない。
すると心は、認められないことを嘆くよりも、自ら選びとって認められない存在になろうとしてしまう。
そうすれば、自分からそうしているのだというエクスキューズが生まれるからだ。
自己否定を自己肯定にすりかえるようになる。これが偽悪者の正体。
なんの自分の利にならない嫌がらせに執着し、自分でもダメだと思っていることをやめられない人の心理構造。
自ら選びとって認められない存在になろうとする生き方は、カウンターアイデンティティと呼ばれる。
心に否定を抱えたものが価値の逆転を行った結果であることが多い。

ほかには残酷で非情な現実に打ちのめされたものたちが偽悪者のように振舞うことで、
残酷で非情な自分を強いと感じることで自慰しているときもある。