ところで全然関係ない話するね
これは大学の先輩から聞いた話でその先輩はもう卒業したOGの先輩から聞いたらしい

その大学には山岳サークルがあったんだけど今は無くなってる
課外活動中に事故があって色々揉めて結局サークル自体無くなってしまったらしい
サークルのメンバーは男女で合計10人くらいでその中に一人”田島恵子”って女性がいたんだよね
春休み中にメンバーの地元の山に行ってキャンプしようって話になってサークルでも特に仲良かった4人組で行ったらしいんだ
山岳サークルと言っても本当にお遊びみたいなもんで、やることと言えば部室で駄弁ったりたまに活動と称してピクニックに行く程度だったらしい
だからメンバーは全員山に関して知識を持ってなくていつものピクニックの延長程度にしか考えてなかったんだ

4人は目的の山について川のそばにテント張ってバーベキューしたりして遊んでたらしい
今は色々厳しくなったけど当時は結構緩くて適当な山で勝手にテント張っても怒られたりしなかったんだ

そんで暗くなったころに4人は肝試しをしようって事になって2人1組になって暗い山を探検したんだ
先に言っておくけどその山は特に逸話とかはない
行方不明者が出たって話もないし伝承とかも祠みたいなものも何もない

田島さんは2つ目のグループで暗い山の中に入っていったんだよね
そんでしばらくたった後にすごい悲鳴が聞こえた
先に肝試しを終えて待機していた2人は何事かって田島さんたちを探しに行ったんだ
懐中電灯で照らしながら探していると田島さんと組んでいた一人がへたり込んで座ってた
何があったと聞いてもわからないというばかりで田島さんの姿は見つからない

ビクビクしながら田島さんを探したんだけど結局田島さんは見つからずに翌朝山を下りて警察に相談した
事故にあったのか事件に巻き込まれたかはわからないけど田島さんは今も見つかってない
残りの3人も何かしたんじゃないかって警察にしつこく聞かれて結局大学を辞めちゃったらしい

そのあとの事なんだよね
3人のうちの一人のケータイに田島さんから電話が来た
何があったんだ、今どこにいるって問いかけるけど電話は無言
気味が悪くなって電話を切って寝たらしいんだけどその日夢を見たんだ

真っ暗な社の中に田島さんが佇んでいてボソボソと何かを言っている夢
うわっ、って目を覚ましたらものすごい汗をかいていて震えるほど寒かったらしい
でもそれ以上のことは何もなくて特に気に留めず過ごしてた

それからしばらくたってもう一人にも同じような事が起きた
それで2人は田島さんの身に何かあったのかと思って神社やお寺を訪ねたけど特に何もわからなかったらしい

それで最後の1人、その山の地元の人なんだけどいつ田島さんが来るかと不安で震えてた
で、またしばらく経った後深夜にその人から電話が来たんだよ
息を切らしながら言葉もとぎれとぎれに「田島が!田島が!」って
それだけ言って電話は切れた
その人はその日から姿を消して今どこに行っているかわからない

怖いのはここからで、この話を聞いた人は”田島恵子”という名前を知った人は
その人の所に田島さんがやってくるらしい
田島という名前を忘れた頃に社に佇んでいる彼女の夢を見るとか
その夢の中では彼女はボソボソと何かを言っているんだけど聞き取れない
でも多分”連れていかれる人”は彼女の言葉を聞き取れるんだと思う
俺の所にはまだ田島さんは来ていない
彼女の名前を憶えている限り彼女は来ないらしいから
だから俺の寝室の壁には田島恵子と書かれた紙を張り付けてある

お前らも気を付けてほしい