翠星が目を覚ます。
今日は休みだ。
一日中あんスタでもやろうか、そう考えていたはずなのに、お腹が空く。
ベッドから起き上がり、キッチンに向かう。
"おねーちゃん、お腹すいた!"
...
反応がない。
おねえちゃん?
まだ返事がない。
"変だな。今日は仕事じゃないって"
買い物に行ったのかな?
彼女は外で食べ物でも買おうとドアの前まで歩いていく
奇妙なことに気づく。
扉は中から鍵がかかったままだ
おねーちゃん、お風呂に入ってるの?
お風呂の中を確認してみる
誰もいない…

鐘の音が聞こえる
「すいちゃん、もう起きたの?」
カナタの声だ
"うん、ちょっと待って!"
彼女は鍵を外しドアを開ける
彼女の目の前には、背の高い竜の女の子と天使の二人が立っている。
「のどの薬を持ってきたんだけど、今日はもう飲んだんだよね?すいちゃん。」
"うん。ねえ、今日はお姉ちゃんに会った?"
ココとカナタは無言で顔を見合わせる。
「すいちゃん、今日はテトリスで遊ぶ?DTキャノンのやり方を教えて欲しいんだけど」とカナタは話題を変えようとする
"ごめんカナタ、今日はちょっと気分が乗らなくて"
「カラオケに行きませんか?先月からタクサン練習してきました、もう歌声もそんなに悪くないと思いますよ」とココも話題を変えようとしている。
翠星は何かがおかしいことに気付く
カラオケを疫病神のようにいつも避けているドラゴンガールがカラオケに誘っているの?ココの言葉が信じられない
「ごめんちょっと待って、先にお姉ちゃんに電話させて」
翠星は携帯電話を握りしめ、アネマチの番号を探そうとする。
検索結果には何も出ない
パニックに陥り始める
「ねえ、二人とも私のお姉ちゃんの電話番号は知っているよね?ちょっと借りてもいい?うっかり番号を削除しちゃったみたいで"
ココとカナタは心配そうに顔を見合わせる。
「すいちゃん...。」

かなたがゆっくり歩いてきて 強く抱きしめてくれる
"な、なんで?カナタどうしたの?"
"わ…わかった。いたずらでお姉ちゃんがカナタの部屋に隠れてるんだ!そうでしょ!"
翠星がドアを駆け抜ける
ココとカナタのアパートに入る。
空っぽだ。誰もいない。
カナタのテーブルの上で何かを見つけた
薬のパックだ
「すいちゃん」
後ろからカナタの声が聞こえてきた。
"カ…カナタ…"

"この薬、本当はのどの薬じゃなかったの?"
カナタはゆっくりとうなずく
翠星が泣き出し、涙が顔を伝う
「すいちゃん、本当にごめんね。」
「それがあなたのためだったから」