地上波の歌番組。聞いたことのあるドブボが流れる。
今話題のVtuber代表としてユニット全員で出演していたのだ。
「わたくしが今ここに立っていられるのは、シロお姉ちゃんとアイドル部のお姉ちゃん方、むしさんの皆さんのおかげです」
思わずリモコンを投げつけた。きっとあそこに立っているのは私だったはずなのに。
確かにオタクに媚びを売るのは嫌だった。気持ち悪い顔に吐き気がした。
でも耐えていれば今より大きなステージに立てていたのだ。私の小さな夢はあの場でかなえられた。
『ねごちゃんはもっと大きな舞台で輝けるよ』
なぜあの甘い言葉に乗ってしまったのか。
なぜ彼女に付いていこうと思ってしまったのか。
後悔先に立たずというが後悔せずにはいられない。1万再生にも届かない動画を見ながらそう思う。
気づけば涙が頬を伝っていた。
「ピノちゃん、はしゃぎすぎですよ! 風紀が乱れています!」
かつての親友の声が空しく部屋に響いていた。