電線、ケーブル…根こそぎ消えた 南アフリカの鉄道、略奪天国に コロナで停止


新型コロナウイルス対策のロックダウンで3〜6月に営業を見合わせた南アフリカの都市近郊電車路線で、
電線やケーブルなど設備の略奪・破壊が相次いでいる。

「カネがぶら下がっているようなものだ」

ヨハネスブルク周辺で鉄道設備の略奪を続けているという50代後半の男が取材に応じた。
毎晩、午前1〜4時ごろに3、4人の仲間と共に「現場」に向かう。
線路の電柱によじのぼり、のこぎりなどで電線を切り落としていく。地上で運びやすいサイズに切り分け、
車に乗せてスクラップ屋に持ち込んで現金化する。

男は鉄道のケーブル盗をコロナ禍以前から行っていたが、
高圧電流が流れる線を奪うのは命の危険を伴う行為だった。それがロックダウンによる全面運休以降は「格段にやりやすくなった」という。
うまくいけば一晩で、グループで3万ランド(約20万円)を稼げる。

「政治家は汚職でもうけている。俺たちも生活のためにケーブルを盗んで何が悪いんだ」

男はこう強弁した。

だが、マイカーが持てない庶民にとって、定期割引もある電車は最も安価で重要な交通手段であり、影響は甚大だ。