今から36年前。あるグレイ型宇宙人の夫婦は1人の子供を授かった。
喜びの最中、夫婦は絶望のどん底に叩き落される。
彼らの種族は高度な知能を持つ。そしてその知能は目の大きさに比例するのだ。
赤ん坊の目は、目として存在があるのか認識出来ないほどに小さかった。
これは我が子がもう手遅れなほど重度なSであることを表していた。
彼らにとって知能が劣るということは何よりも恥ずべきことであった。
なんでよりによって私たちにこんな・・・。
彼らは神と運命を心の底から呪った。
「だで。だで。」と意味のわからない言葉を発しているそれを恨めしそうに見つめ、
途方にくれた彼らは、そのグレイの子供を遥かなる彼方にある青い星に捨てることにした。