暗く人気のない路地を通るときは気を付けた方がいい。
こんな噂があるからだ。


一人で路地を通っていると、向こうから二人組の男女がやってくる。
男は向かって左側の壁に、女は向かって右側の壁にぴったりと沿うようにして、
こちらへゆっくりと歩いてくる。
二人は恋人同士にも見えるが、二人の間にはぽっかりと隙間が空いている。
人一人が通れるくらいの隔たりが二人の間にあるのだ。
そして、あなたは二人が手を繋ぐことの出来ない理由を知る。
男には左腕が、女には右腕がないのだ。
切り口からは赤黒い血がじっとりと滴っている。
ただし、二人が生きた人間ではないということに気付いても、
あなたは決して逃げてはいけない。
必ず路地を抜けなければならないのである。
ただし、二人の間を通り抜けてはいけない。
二人はそれを絶対に許さないからだ。
逃れる方法は一つ。
あなたが男なら男に向かって、女なら女に向かって真っ直ぐ歩いていくことだ。
そうすれば、相手はあなたにすっと道を譲ってくれる。
もう一度言う。
男なら男に向かって、女なら女に向かって真っ直ぐ歩いていくのだ。
これを間違えてはいけない。
二人は自分の恋人に、自分以外の異性が近寄ることを好まないのだ。
そして、最後に一つ。
無事二人を通過しても、決して振り返ってはいけない。
ただ前だけを見て、路地を抜けるのだ。

路地を抜ければ、もう大丈夫である。
振り返っても、そこにはもう二人はいないはずだ。
そしてきをつけなければならないのはここからだ
この話を聞いた後、1週間以内に2人の男女が現れる
それも忘れた頃に。
だからその時はこのことを思い出してほしい。
貴方の安全の為に……。