欧州では、新疆ウイグル自治区に関し中国政府の抑圧的な政策を示した内部文書が流出したり、
さらに「収容所」の内部を移したビデオやウイグル人の証言などが報道されたりした。
そこでは複数の収容施設の存在、大量のウイグル人の抑留、強制労働・不妊手術の証言、
文化遺産を含む宗教施設の破壊など生々しい実態が盛り込まれており、欧州各国で中国の人権政策への反発が強まっている。

 王毅外相のドイツ訪問の際、ハイコ・マース外相は新疆ウイグル自治区への調査団派遣受け入れや香港の立法院選挙の実施を要求した。
会場の独外務省の前には、香港の民主活動家で英国滞在中の羅冠聡(ネイサン・ロー)氏を含む数百人が中国に対する抗議活動を行った。
フランスでもマクロン大統領がウイグルへの独立した国連調査団の派遣を求めている。

 新疆ウイグル自治区については2013年10月の天安門広場自動車突入事件を契機に、中国政府による「ウイグル=テロの温床」という図式が世界に浸透した。
かつては米中などが外交的に「テロとの戦い」で協調をうたう場面でも、ウイグルが標的の一つと示唆された。
ところが、近年国連報告や報道などによりウイグル人に対する人権侵害が明確になるにつれ、こうした図式は色あせ、むしろウイグルは「習近平政権による少数民族抑圧の象徴」ととらえられている。
 特に人権を主要な価値一つとしているEUの加盟国は敏感に反応している。