否定の裏にあるのは恐怖心

私たちはなぜ、自分が見下している相手に対して、攻撃的になるのか、ということです。
これは結局、私たちが心の奥底に、強い不安を抱えているからだと思います。
「自分の立場が脅かされるのではないか」という不安が強い人ほど、論敵に対して攻撃的にならざるをえません。

「こんな簡単な話がどうしてわからないんですか?」
そう口にしているとき、私たちは相手から攻撃される恐怖に怯えています。
議論の内容ではなく、相手の人間性そのものを否定しようとするとき、私たちはただただ、心の奥底にある恐怖心に突き動かされているのです。
他人の話に耳を傾けるためには、まず自分の心のうちにある恐怖心を認めることから始める必要があります。
勇気と自信と確信に満ちているはずの他ならぬ自分自身が、実は相手を恐れているということ。否定されたり、バカにされたりしてしまわないかという不安に怯えていること。

そういう自分の心の弱さを認めるところからしか、相手に好意的に受け取ってもらえる言葉を発することはできないのだと思います。