――第四章――
「いつからだろう、こんな人に期待されるようになったのは」
王から進呈されたふかふかなベットに、皇女からお祝いとして渡された枕、一人寝ているのは、無防備の王子であった。
「なんか……寒いな、早く寝よう」
彼はどこかから向けられる些細な悪意を悪寒と感じ取っていた。
「俺は……できるかな……。」
悩みは宇宙へと舞い、地表を貫く睡魔に身を委ねた
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当日〜会場〜
出演者が自らの持ちネタ、披露する芸を練習する施設で彼は一人、ピアノブースで鍵盤を叩いていた。
彼には分かっていた、背後から向けられる視線、それは決して、新しい仲間を歓迎する、そんな視線ではないことは分かっていた。
「…………ッチ」
指が動かない、前日はあんなにも眠れたというのに、苛立ちや焦りを蓄積させつつも、発散する手立てが無く、只只練習をしていた。
指は紫になっていたという。

――第四章中編 終