――第四章――
築かれた2つの城、対立の結末

加藤純一、彼のお粗末な、虚勢の城は着実に太く、不徳な黒さを増していく。
ある時彼も城へと呼び出された。
「君もいつも通りに頼む」
そう言い直ぐに加藤を城へ帰らせた。
彼は非常に腹が立った、隣の王国に住む、自分より格下、それどころか今まで一切眼中に入らなかった人間が、突然反旗を翻した物とも思える成長ぶりを見せたのだ。
彼は嫉妬した、大して数字も上げられない、大して誇るもののない彼が、王に優遇されていることに、とても、嫉妬した。
黒い城の住人は、思考も黒くなるのだろうか、いつしか、大舞台当日のその日に、どうして彼を舞台から払い除けてしまおうか。
「…………ハハッ」
乾いた笑みには漆黒の信念が宿った
「何者にも染まらない黒は、純白をも飲み込んでしまおう」
虚勢の城に、黒い笑い声が響く――
決して誰も、誰も否定しなかった。
彼等は盲目なのである。
――第四章、前編終