>>850
ある日のこと。柾がその日のお仕事を無事終え、電脳居酒屋でちょっとした打ち上げにも参加した後(勿論彼女はアルコールを一切飲まなかった)。
少々寒々とした夜の繁華街を歩いて帰路についていた時のことである。

「おぉ〜〜? そこにいるのはまかのんじゃないっすか〜〜?」

裏路地から、何やら酒に酔って馴れ馴れしく話しかけてくる飲んだくれが出て来たではないか。しかも何やら自分のことを知っているご様子。
うわウザ……と思いながら声のする方を見た途端、彼女の心臓がドクンと大きな鼓動を鳴らした。まるで信じられないものを見ているかのように、両目は大きく見開かれている。
何故なら、そこにいたのはかつて『猫乃木もち』だった彼女を一人前のアイドルに育てようとした人であり、楠と同じくその頃からの想い人、ばあちゃるプロデューサーその人だったからだ。