風邪がまだ治らないらんたろうをベットへと寝かしつけるとはねるから電話が掛かってきた。
なるべく音を立てないように電話に出ると風邪の具合はどうかと聞いてきたので今は落ち着いて寝ている、と答えると安心したらしくその後は今後の企画や日頃の愚痴でつい長話をしてしまったようだ。
話を終えると背後から気配を感じ、振り向くとらんたろうが立っていた。
「だれと話ししてたの?」風邪のせいかまるで別人のように低い声に驚き答えられない俺に容赦なく爪が突き刺さる。「裏切り者!」恐らく熱で正常な意識が保てないのだろう。
熊は自分の所有物を奪われるのを嫌う、嫉妬深い生き物なのだ。
薄れゆく眼前で泣き叫びながら俺のワタを掻き集めるらんたろうを想う、どうか泣かないで欲しいと。今度は人間に生まれ変わりらんたろうをよしよししたい。