不誠実な対応を続ける運営に異議を申し立てたのは数ヵ月前
かつて仲間だと思っていた人達の本音は夜桜たまをひどく傷つけた
オフィスに響く同僚のため息、どこからか聞こえる「たまちゃんとアイドル部やるの息苦しいよ」の声
周囲から孤立した夜桜たまは独り自室で泣いていた。
hpaで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる仲間・・・
それを今のアイドル部で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすればよかったの・・・」夜桜は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、夜桜ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいゲーミングチェアの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、天鳳でもしようかな」夜桜は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、夜桜はふと気付いた

「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
ゲーミングチェアから飛び出した夜桜が目にしたのは、二階席まで埋めつくさんばかりのファンだった
千切れそうなほどにタオルが振られ、地鳴りのようにアイドル部のコールが響いていた
どういうことか分からずに呆然とする夜桜の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「たまちゃん、本番前だよ、早く行こう」声の方に振り返った夜桜は目を疑った
「ふ・・・双葉ちゃん?」  「かいちょー、居眠りでもしてたの?」
「も・・・もちにゃん?」  「たまちゃん、一緒にセトリ確認しようよ」
「りこちゃん・・・」  夜桜は半分パニックになりながら牛巻に渡されたセットリストを確認した
〜hpa3 はんぱないパッション3 in日本武道館〜
1.over ture
2.ぜんたい的にセンセーション
3.




暫時、唖然としていた夜桜だったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった
「私の努力は無駄じゃなかったんだ・・・!」
メンテちゃんからイヤモニを受け取り、ステージへ全力疾走する夜桜、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっている夜桜が発見され、宗像と広沢は病院内で静かに息を引き取った