〜VRで生きづらさを解消〜
更新日2019年10月16日

VR(バーチャルリアリティー)のプラットフォームが充実し、スマートフォンからでもアクセスできるようになる中、この技術を使って、現実社会での
生きづらさを解消しようという人が増えはじめています。クラウドファンディングを活用し、積極的にバーチャル空間に乗り出した人たちをご紹介します。

ITで障害のない体を手に入れたい
今年10月にデビューするVチューバー、さきゅば のえさんは、トゥレット症候群という難病をネット上で紹介するユニークなキャラクターです。

のえさんの素顔は、15年間、このトゥレット症候群に苦しんできた大学生。発達障害のひとつであるトゥレット症候群は、突然、けいれんしたように体が動く
「運動性チック」や、声を出してしまう「音声チック」があり、複数のチック症が1年以上続きます。

その影響で、のえさんは、いじめにあったり、電車内で胸ぐらをつかまれるなどの体験をし、将来への希望を持てなかったと言います。

そんな中、のえさんは思い切ってクラウドファンディングにこんな投稿をのせました。

私は、この病気に今まで15年間苦しめられてきました。症状がひどい時には、コミュニケーションがうまく取れない時もありました。はじめは薬で
治るかもしれないとのことで、5年間くらいは薬を変えながら投薬治療を行ってきましたが、効果がなかったり、副作用が強かったりするので、
去年治療を断念しました。

でも、私だって、 他の人と普通に仲良くお話ししたり、笑ったりして、普通の人と同じ生活をしたいです。そこで、私はVtuberに目をつけました。
Vtuberを操作する技術を駆使して、トゥレット症候群の症状を見た目だけでも(例えば、首を振る動作(症状)を検知したら、その動作をモデルが
行わないようにするように制御する)抑えることができれば、自分の体をうまく動かせるようにすることができるかもしれない考えました。

そして、それを開発し、VTuberとして活動する事で、自分のような障害を抱えた人でも、コミュニケーションが取れる社会を作っていきたいです。

クラウドファンディングには目標額を大きく上回る177万円が集まりました。そして、のえさんのもとに、嬉しい知らせが届きます。ネットで、のえさんの
計画を知った中国のネットユーザーが、のえさんの「音声チック」をバーチャル空間で消せるプログラムを作ってくれると言うのです。

のえさんは、こうしたプログラムに支えられ、障害のないキャラクターが完成していく過程を公開することで、同じような悩みと向き合っている人たちに、
希望を持って欲しいと考えています。そして、このバーチャル空間で"さきゅば のえ"としてたくさんの友達を作り、近い将来、仕事もしていきたいと夢見ています。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1074.html