20XX年、夏。
肌がジリジリと焼けるような暑さの中、娘の手を引きながら図書館へと向かっていた。

『ママー!きょうはなにするのー?』
『今日は図書館に行って本を借りしましょうね。』
『やったー!』

図書館に着き、さっそく娘が本を漁りにいく。向かった先は児童書の棚。
まだ字がうまく読めない娘の選んだ本を読んで聞かせるのが恒例だ。
持ってくる本は、決まって動物に関する本。
誰に似たのか、娘は無類の動物好きだ。

『これ!』
娘がベージュ色の表紙の本を差し出す。
🌾『あっ。これは...』

図書館を後にし、木漏れ日の差す小道を通って帰る。
ふと視線を落とすと捨てられた空き缶にアリが行列を成していた。

あの子は幸せだっただろうか。
空を仰いで想いを馳せる。