幼少時、いつも銀歯の後ろをついて来た弟。一緒に駆け巡った実家近くの山々、滑川砂防公園の外壁を共によじ登って汗した日々、
忍者になるんだと本気で取り組んだ山篭り、山の後ろにはアメリカがあると信じて疑わなかったまだ悪魔になる前の銀歯少年。
そんな兄を地区児童会のリーダーに推薦しようと、ただ一人だけ挙手した兄思いの弟。
時は流れ、互いに言葉を交わすことがなくなっても、「山に登ればアイツに会える」、そう思って今日も自分との対話とか言いながら山に向かう銀歯。
YouTuberとして成功して、時間と金、自由を手に入れた頃、「俺以外にあと一人ぐらいなら何とか食わすことが出来るかな…」とか言いながら、
実家の部屋のドアを叩いて、兄弟間の不和を解消するハッピーエンドを俺は夢見ていたんだぞ。