自由貿易は民主主義を滅ぼす エマニュエル・トッドが訴える保護貿易 、インタビュー
https://globe.asahi.com/article/12288436

二つの仮説を立てています。ひとつは経済的な面ですが、米国でとりわけグローバリゼーションが進みすぎたということです。
中国が世界の自由貿易体制に入りましたが、一方で米国は最近、死亡率が増加し、平均余命が低下している。
そうした要因が合わさって、行き過ぎた自由貿易を止めなければいけないという動きが起きている。何らかの保護、保護主義を必要としているというのです

「問題は、完全な自由貿易は国内で格差を拡大させることです。エリート主義、ポピュリズムによる衝突も引き起こします。
自由貿易に賛成するか、反対するかではなく、どの程度の自由貿易なら社会が許容できるかという話なのです」

「トランプ氏の他の発言は馬鹿げていますが、有権者に重要だったのは彼が真実を語っていたということです。
米国民は自由貿易にうんざりしていました。死亡率の増加、自殺率の上昇などは、米国社会がうまくいっていないことの証しです。
サンダース氏は民主党候補にはなりませんでしたが、彼も保護主義を訴えていました。米国がより保護主義の態度へと変わったことが見てとれました」

「保護主義というのは、自由貿易のようなイデオロギーではありません。自由貿易主義者は、そこに完璧な世界があって、関税をすべて取っ払ってというような世界を描いています。
自由貿易というのは、宗教に近いと言えます。これに対し、保護主義は国家がとる手段です。もちろん、保護主義に移れば、いくつかの価格が上がる。
ただ、労働市場も違うものになる。労働者の賃金は上昇するでしょう。少しずつ、うまく保護主義政策をすすめれば、労働者や技術者にアドバンテージを与えるはずです」