2019/03/13 もこ田めめめ 金剛いろはコラボの真実

夜桜が上京してからはや3週間が経った。同居人の金剛いろはとは、幸せな生活を送っていた。3日に1回は一緒に映画を見て、たまは麻雀を教えていた。
王子神谷の2DKのアパートで、別々の部屋から配信したAPEXコラボは、終わったあと、ダイニングで顔を見合わせて笑い転げたものだった(もちろん、いろはは「たまちゃんなんで咳してるの」と笑った)。

いつものように、深夜、夜桜たまが台所でカップラーメンを食べていると、床が水で濡れていることに気がついた。水は細い線を描いて、ふたりで選んだ赤と白のスツールの足をくぐり抜けて、
金剛の部屋へと入っていた。もう、めめめとのコラボ配信も終わって、寝ているはずの時間だった。Twitterの実況をちびたまに任せていたせいで、コラボで何が起こっているのか、夜桜にはわからなかった。
「何だこれは? 舐めるか?」
指で水をすくって舐めると、それは塩の味がした。今となってはもうおなじみの唾液の味も。

「ちょっと、いろは? 何汚して――」
ドアを開けた夜桜たまが見たのは、呆然と口を開け、体中から体液を流しながら、虚ろな声で「アッアッアッアッアッ」と泣いている金剛いろはの姿だった。
「どういうこと!? いろは! 一体何が、めめめちゃんとのコラボ配信は」
「まだしてるよ」
いやに白く光る画面には、もこ田の姿があった。
「コラボたのしい」
「嘘! こんなのただのコラボじゃないだろ、一体、何を」
「脱出ゲーム」
たまの腕の中で、金剛が痙攣して、また大量の涙を流した。
もはや午前4時になろうとしていた。5時間にも渡るめめめとのコラボ――もはやLTME(長期間めめめ曝露)の症状が出ているのは明らかだった。
「そんな、いろは、いろは……」
電脳空間の中で、めめめはひたすらに「たのしい、たのしい」と繰り返していた。にらみつけるたまに、もこ田があざ笑うかのように告げた。
「めめめがつよいんじゃないよ いろはがよわいんだよ」