【バーチャルBilibiler】湊あくあアンチスレ#363【ホロライブ】

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2019/01/13(日) 16:16:29.95
!extend:none:none:1000:512
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ホロライブに所属するVtuberの湊あくあに関するアンチスレです
配信スケジュールはホロライブ公式Twitter、所属メンバーのTwitterで確認

────────────────────────────────────
・スレを立てるときは先頭に「!extend:none:none:1000:512」を三行いれよう
・sage進行推奨。E-mail欄(メール欄/メ欄)に半角小文字で「sage」と記入。
・次スレは>>950が立てること。無理ならば代理人を指名するか踏まないこと。
────────────────────────────────────

■前スレ
【バーチャルYoutuber】湊あくあアンチスレ#362【ホロライブ】
http://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1547359475/
VIPQ2_EXTDAT: none:none:1000:512:----: EXT was configured
2019/01/13(日) 17:13:39.04
>>170
よくみれあのこと調べれるな...
あの青マニキュアで吐いて以降もう無理だわ
2019/01/13(日) 17:13:43.44
ニュース0でもドル部いなくてタムホロで同盟組んでたからな
2019/01/13(日) 17:13:45.54
ゲップランドのスレ乗っ取れよ
2019/01/13(日) 17:13:52.64
風俗は、ミライアカリだ
2019/01/13(日) 17:13:56.75
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:13:57.92
馬鹿tuber
はねる、YuNi、フブキ、めあ、ミコ、豆他

vs

ごんごんソロ

勝てるか…?
2019/01/13(日) 17:14:07.54
ミライアカリは、灯台だ
2019/01/13(日) 17:14:07.56
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:14:19.18
>>192
スパチャランキング下位の方じゃん
2019/01/13(日) 17:14:20.80
くこタムのコロニー
2019/01/13(日) 17:14:34.94
ニコ生Vtuber顔バレ

https://i.imgur.com/8hQH1c9.jpg
左上 日南
右上 かなた
左下 まこじき
右下 くるる
2019/01/13(日) 17:14:36.63
あくあは、チャイニーズだ
2019/01/13(日) 17:14:45.28
灯台は、大学だ
2019/01/13(日) 17:14:46.10
>>194
前回のバカチューバー12000くらいいってたから余裕だぞ
2019/01/13(日) 17:14:57.52
【悲報】モルちーマイクラに狙いすましたかのように叶ログイン
2019/01/13(日) 17:15:02.08
タムスレ見てみたらキモイドル豚の巣になって草
閉じコンらしいっちゃらしいけど
2019/01/13(日) 17:15:08.60
あのイベント行ってるって書いたやつが一人いて
その後ロボ子がお持ち帰りされそうって話したくらいだな
2019/01/13(日) 17:15:19.76
まつりがあくあと共演したり
フブキがめあと共演したり
ホロライブで革命おきてるわ
2019/01/13(日) 17:15:36.71
>>194
ビリビリと合算すれば余裕・
2019/01/13(日) 17:15:48.17
ホロライブは、チャイコンだ
209名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:15:48.41
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:15:56.14
閉じコンドル豚(ブサイクなバカ貧乏)
世界に羽ばたくホロライブ(ファンは高学歴イケメン社長)
211名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:16:06.97
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:16:24.31
>>206
敵の敵は味方なんだなぁ
213名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:16:25.91
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:16:30.97
ほそぼそと生きてるホロアンスレに大量の親方ガチ恋勢がいるぞ
誰だよフブキにガチ恋勢はいないとか言ってたやつ
2019/01/13(日) 17:16:34.47
【速報】じぇむかん鎖国解除
火曜日20時upd8から大物ゲスト参戦
2019/01/13(日) 17:16:37.14
ドル部はピーマン君とかいうガイジ作った黒歴史忘れるなよ
2019/01/13(日) 17:16:38.20
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:16:43.17
すま人…
配信しとるぞ
すま人…
219名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:16:47.89
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:16:50.64
ホロ信ってイケメン多いよな
なんかあんまオタクっぽくない
女性にモテそう
2019/01/13(日) 17:16:53.90
すまん弟、シロアンを引き取ってくれ
2019/01/13(日) 17:17:04.27
>>214
どこに?
223名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:17:05.52
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:17:12.63
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:17:21.75
>>215
マジ?
あそこドル部より鎖国してたやんけ
226名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:17:21.90
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:17:31.16
>>216
ピーマンはB子が原因なんだ😋
結局あいつらが全部悪いんだ😋
2019/01/13(日) 17:17:33.58
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
229名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:17:45.37
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:17:49.71
タム兄怪物連れてくるとか許さんぞ
2019/01/13(日) 17:17:51.57
>>214
それ数字ガチ恋勢だから・
2019/01/13(日) 17:18:00.32
ここってこんなに酷かったっけ
クソみたいなスレになったな
233名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:18:11.79
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:18:17.00
>>222
くこ
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1547342363/
2019/01/13(日) 17:18:21.13
お前らのせいだろwwwwwwwwww
236名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:18:30.91
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:18:31.88
あくあ最強!いやゴミ
2019/01/13(日) 17:18:40.31
湊あくあ最強!湊あくあ最強!
2019/01/13(日) 17:18:44.22
ホロとゲップデートの繋がりは?
240名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:18:47.93
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:18:52.61
あくあ最強!いやゴミ
2019/01/13(日) 17:18:54.59
タム兄さぁ・・・
しっかり隔離しといてくれよ
2019/01/13(日) 17:18:55.89
あくあ最強!いやゴミ
244名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:18:59.05
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:18:59.47
>>232
タム兄さんがすべて悪い
2019/01/13(日) 17:19:05.38
>>234
なんだこのスレ!?
2019/01/13(日) 17:19:21.32
あくあ最強!いやゴミ
2019/01/13(日) 17:19:26.48
>>232
割れ窓理論やぞ
2019/01/13(日) 17:19:30.40
>>230
何が兄だ
気色悪いんだよ死ね
250名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:19:36.27
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:19:42.80
シロアンの介護頼むわ
ほな…
2019/01/13(日) 17:19:43.81
タムアンはこんなの飼ってたのか…
2019/01/13(日) 17:19:51.21
シロアン大活躍で草
254名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:19:53.82
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:19:58.64
くこタムのコロニー
2019/01/13(日) 17:19:59.57
>>239
パトフブコラボ5600
2019/01/13(日) 17:20:14.79
くこタムのコロニー
2019/01/13(日) 17:20:15.44
シロアン本スレはこっちだぞ
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1547328165/
259名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:20:23.38
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:20:36.11
くこタムのコロニー
261名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:20:38.78
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
262名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:20:56.75
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:21:10.36
フブキッズ「フブキガチ恋勢はいない、いるのは数字ガチ恋勢だけ」

普通にいるじゃねーかw
264名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:21:15.14
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:21:31.73
じぇむかんて何かと思ったらうーたま族か
どうでもいい
266名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:21:39.60
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:21:42.02
シロアンそろそろ帰るぞ
迷惑かけんな
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1547328165/
2019/01/13(日) 17:21:48.98
ドルアンには行かない、いや行けない敗北者が
269名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:21:54.78
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:21:58.19
避難先
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1547367593/
2019/01/13(日) 17:21:58.21
シロアンへ
本スレ
https://egg.5ch.net/test/read.cgi/streaming/1547328165/
2019/01/13(日) 17:22:21.55
>>268
>>268
悔しいか?
2019/01/13(日) 17:22:32.07
はゆゆってエロゲーに出てたよな
274名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:22:39.12
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
275名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:23:07.97
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
276名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:23:14.24
df0fb
2019/01/13(日) 17:23:16.07
>>272
悔し過ぎて安価二つ付けてて草
2019/01/13(日) 17:23:24.52
なんだこのスレ
279名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:23:27.14
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
2019/01/13(日) 17:23:31.34
あくあの配信見て思ったけどアイワナってずいぶん演出が寒くなったな
281名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:23:31.33
>>607
て咲いているのも今更に目につく。時雄はさる画家の描いた朝顔の幅を選んで床に懸け、懸花瓶には後れ咲の
薔薇の花を※(「插」のつくりの縦棒が下に突き抜ける、第4水準2-13-28)した。午頃に荷物が着い
て、大きな支那鞄、柳行李、信玄袋、本箱、机、夜具、これを二階に運ぶのには中々骨が折れる。時雄はこの
手伝いに一日社を休むべく余儀なくされたのである。 机を南の窓の下、本箱をその左に、上に鏡やら紅皿や
ら罎やらを順序よく並べた。押入の一方には支那鞄、柳行李、更紗の蒲団夜具の一組を他の一方に入れようと
した時、女の移香が鼻を撲ったので、時雄は変な気になった。 午後二時頃には一室が一先ず整頓した。「ど
うです、此処も居心は悪くないでしょう」時雄は得意そうに笑って、「此処に居て、まア緩くり勉強するです
。本当に実際問題に触れてつまらなく苦労したって為方がないですからねえ」「え……」と芳子は頭を垂れた
。「後で詳しく聞きましょうが、今の中は二人共じっとして勉強していなくては、為方がないですからね」「
え……」と言って、芳子は顔を挙げて、「それで先生、私達もそう思って、今はお互に勉強して、将来に希望
を持って、親の許諾をも得たいと存じておりますの!」「それが好いです。今、余り騒ぐと、人にも親にも誤
解されて了って、折角の真面目な希望も遂げられなくなりますから」「ですから、ね、先生、私は一心になっ
て勉強しようと思いますの。田中もそう申しておりました。それから、先生に是非お目にかかってお礼を申上
げなければ済まないと申しておりましたけれど……よく申上げてくれッて……」「いや……」 時雄は芳子の
言葉の中に、「私共」と複数を遣うのと、もう公然許嫁の約束でもしたかのように言うのとを不快に思った。
まだ、十九か二十の妙齢の処女が、こうした言葉を口にするのを怪しんだ。時雄は時代の推移ったのを今更の
ように感じた。当世の女学生気質のいかに自分等の恋した時代の処女気質と異っているかを思った。勿論、こ
の女学生気質を時雄は主義の上、趣味の上から喜んで見ていたのは事実である。昔のような教育を受けては、
到底今の明治の男子の妻としては立って行かれぬ。女子も立たねばならぬ、意志の力を十分に養わねばならぬ
cc77f15fbe
、海老茶袴、男と並んで歩くのをはにかむようなものは一人も無くなった。この世の中に、旧式の丸髷、泥鴨
のような歩き振、温順と貞節とより他に何物をも有せぬ細君に甘んじていることは時雄には何よりも情けなか
った。路を行けば、美しい今様の細君を連れての睦じい散歩、友を訪えば夫の席に出て流暢に会話を賑かす若
い細君、ましてその身が骨を折って書いた小説を読もうでもなく、夫の苦悶煩悶には全く風馬牛で、子供さえ
満足に育てれば好いという自分の細君に対すると、どうしても孤独を叫ばざるを得なかった。「寂しき人々」
のヨハンネスと共に、家妻というものの無意味を感ぜずにはいられなかった。これが――この孤独が芳子に由
って破られた。ハイカラな新式な美しい女門下生が、先生! 先生! と世にも豪い人のように渇仰して来る
のに胸を動かさずに誰がおられようか。 最初の一月ほどは時雄の家に仮寓していた。華やかな声、艶やかな
姿、今までの孤独な淋しいかれの生活に、何等の対照! 産褥から出たばかりの細君を助けて、靴下を編む、
襟巻を編む、着物を縫う、子供を遊ばせるという生々した態度、時雄は新婚当座に再び帰ったような気がして
、家門近く来るとそそるように胸が動いた。門をあけると、玄関にはその美しい笑顔、色彩に富んだ姿、夜も
今までは子供と共に細君がいぎたなく眠って了って、六畳の室に徒に明らかな洋燈も、却って侘しさを増すの
種であったが、今は如何に夜更けて帰って来ても、洋燈の下には白い手が巧に編物の針を動かして、膝の上に
色ある毛糸の丸い玉! 賑かな笑声が牛込の奥の小柴垣の中に充ちた。 けれど一月ならずして時雄はこの愛
すべき女弟子をその家に置く事の不可能なのを覚った。従順なる家妻は敢てその事に不服をも唱えず、それら
しい様子も見せなかったが、しかもその気色は次第に悪くなった。限りなき笑声の中に限りなき不安の情が充
ち渡った。妻の里方の親戚間などには現に一問題として講究されつつあることを知った。 時雄は種々に煩悶
した後、細君の姉の家――軍人の未亡人で恩給と裁縫とで暮している姉の家に寄寓させて、其処から麹町の某
女塾に通学させることにした。 それから今回の事件まで一年半の年月が経過した。 その間二度芳子は故郷
を省した。短篇小説を五種、長篇小説を一種、その他美文、新体詩を数十篇作った。某女塾では英語は優等の
282名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:23:42.90
おゲ 信者の
ップ 皆さーん!
おゲ
ップ のお時間ですよー!
283名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2019/01/13(日) 17:23:47.74
>>927
にその恋の神聖なるを神懸けて誓った。故郷の親達は、学生の身で、ひそかに男と嵯峨に遊んだのは、既にそ
の精神の堕落であると云ったが、決してそんな汚れた行為はない。互に恋を自覚したのは、寧ろ京都で別れて
からで、東京に帰って来てみると、男から熱烈なる手紙が来ていた。それで始めて将来の約束をしたような次
第で、決して罪を犯したようなことは無いと女は涙を流して言った。時雄は胸に至大の犠牲を感じながらも、
その二人の所謂神聖なる恋の為めに力を尽すべく余儀なくされた。 時雄は悶えざるを得なかった。わが愛す
るものを奪われたということは甚だしくその心を暗くした。元より進んでその女弟子を自分の恋人にする考は
無い。そういう明らかな定った考があれば前に既に二度までも近寄って来た機会を攫むに於て敢て躊躇すると
ころは無い筈だ。けれどその愛する女弟子、淋しい生活に美しい色彩を添え、限りなき力を添えてくれた芳子
を、突然人の奪い去るに任すに忍びようか。機会を二度まで攫むことは躊躇したが、三度来る機会、四度来る
機会を待って、新なる運命と新なる生活を作りたいとはかれの心の底の底の微かなる願であった。時雄は悶え
た、思い乱れた。妬みと惜しみと悔恨との念が一緒になって旋風のように頭脳の中を回転した。師としての道
義の念もこれに交って、益※(二の字点、1-2-22)炎を熾んにした。わが愛する女の幸福の為めという
犠牲の念も加わった。で、夕暮の膳の上の酒は夥しく量を加えて、泥鴨の如く酔って寝た。 あくる日は日曜
日の雨、裏の森にざんざん降って、時雄の為めには一倍に侘しい。欅の古樹に降りかかる雨の脚、それが実に
長く、限りない空から限りなく降っているとしか思われない。時雄は読書する勇気も無い、筆を執る勇気もな
い。もう秋で冷々と背中の冷たい籐椅子に身を横えつつ、雨の長い脚を見ながら、今回の事件からその身の半
生のことを考えた。かれの経験にはこういう経験が幾度もあった。一歩の相違で運命の唯中に入ることが出来
ずに、いつも圏外に立たせられた淋しい苦悶、その苦しい味をかれは常に味った。文学の側でもそうだ、社会
の側でもそうだ。恋、恋、恋、今になってもこんな消極的な運命に漂わされているかと思うと、その身の意気
5cb0870087
桃割に結って、このすぐ下の家に娘で居た時、渠はその微かな琴の音の髣髴をだに得たいと思ってよくこの八
幡の高台に登った。かの女を得なければ寧そ南洋の植民地に漂泊しようというほどの熱烈な心を抱いて、華表
、長い石階、社殿、俳句の懸行燈、この常夜燈の三字にはよく見入って物を思ったものだ。その下には依然た
る家屋、電車の轟こそおりおり寂寞を破って通るが、その妻の実家の窓には昔と同じように、明かに燈の光が
輝いていた。何たる節操なき心ぞ、僅かに八年の年月を閲したばかりであるのに、こうも変ろうとは誰が思お
う。その桃割姿を丸髷姿にして、楽しく暮したその生活がどうしてこういう荒涼たる生活に変って、どうして
こういう新しい恋を感ずるようになったか。時雄は我ながら時の力の恐ろしいのを痛切に胸に覚えた。けれど
その胸にある現在の事実は不思議にも何等の動揺をも受けなかった。「矛盾でもなんでも為方がない、その矛
盾、その無節操、これが事実だから為方がない、事実! 事実!」 と時雄は胸の中に繰返した。 時雄は堪
え難い自然の力の圧迫に圧せられたもののように、再び傍のロハ台に長い身を横えた。ふと見ると、赤銅のよ
うな色をした光芒の無い大きな月が、お濠の松の上に音も無く昇っていた。その色、その状、その姿がいかに
も侘しい。その侘しさがその身の今の侘しさによく適っていると時雄は思って、また堪え難い哀愁がその胸に
漲り渡った。 酔は既に醒めた。夜露は置始めた。 土手三番町の家の前に来た。 覗いてみたが、芳子の室
に燈火の光が見えぬ。まだ帰って来ぬとみえる。時雄の胸はまた燃えた。この夜、この暗い夜に恋しい男と二
人! 何をしているか解らぬ。こういう常識を欠いた行為を敢てして、神聖なる恋とは何事? 汚れたる行為
の無いのを弁明するとは何事? すぐ家に入ろうとしたが、まだ当人が帰っておらぬのに上っても為方が無い
と思って、その前を真直に通り抜けた。女と摩違う度に、芳子ではないかと顔を覗きつつ歩いた。土手の上、
松の木蔭、街道の曲り角、往来の人に怪まるるまで彼方此方を徘徊した。もう九時、十時に近い。いかに夏の
夜であるからと言って、そう遅くまで出歩いている筈が無い。もう帰ったに相違ないと思って、引返して姉の
家に行ったが、矢張りまだ帰っていない。 時雄は家に入った。 奥の六畳に通るや否、「芳さんはどうしま
2019/01/13(日) 17:24:02.65
>>273
dlsiteの囁きボイスの方がお勧めだぞ
確か100円くらいだから買え
285名無しさん@お腹いっぱい。
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2019/01/13(日) 17:24:04.33
>>60
語気が烈しいので、細君は口を噤んで了った。少時経ってから、「だから、本当に厭さ、若い娘の身で、小説
家になるなんぞッて、望む本人も本人なら、よこす親達も親達ですからね」「でも、お前は安心したろう」と
言おうとしたが、それは止して、「まア、そんなことはどうでも好いさ、どうせお前達には解らんのだから…
…それよりも酌でもしたらどうだ」 温順な細君は徳利を取上げて、京焼の盃に波々と注ぐ。 時雄は頻りに
酒を呷った。酒でなければこの鬱を遣るに堪えぬといわぬばかりに。三本目に、妻は心配して、「この頃はど
うか為ましたね」「何故?」「酔ってばかりいるじゃありませんか」「酔うということがどうかしたのか」「
そうでしょう、何か気に懸ることがあるからでしょう。芳子さんのことなどはどうでも好いじゃありませんか
」「馬鹿!」 と時雄は一喝した。 細君はそれにも懲りずに、「だって、余り飲んでは毒ですよ、もう好い
加減になさい、また手水場にでも入って寝ると、貴郎は大きいから、私と、お鶴(下女)の手ぐらいではどう
にもなりやしませんからさ」「まア、好いからもう一本」 で、もう一本を半分位飲んだ。もう酔は余程廻っ
たらしい。顔の色は赤銅色に染って眼が少しく据っていた。急に立上って、「おい、帯を出せ!」「何処へい
らっしゃる」「三番町まで行って来る」「姉の処?」「うむ」「およしなさいよ、危ないから」「何アに大丈
夫だ、人の娘を預って監督せずに投遣にしてはおかれん。男がこの東京に来て一緒に歩いたり何かしているの
を見ぬ振をしてはおかれん。田川(姉の家の姓)に預けておいても不安心だから、今日、行って、早かったら
、芳子を家に連れて来る。二階を掃除しておけ」「家に置くんですか、また……」「勿論」 細君は容易に帯
と着物とを出そうともせぬので、「よし、よし、着物を出さんのなら、これで好い」と、白地の単衣に唐縮緬
の汚れたへこ帯、帽子も被らずに、そのままに急いで戸外へ出た。「今出しますから……本当に困って了う」
という細君の声が後に聞えた。 夏の日はもう暮れ懸っていた。矢来の酒井の森には烏の声が喧しく聞える。
どの家でも夕飯が済んで、門口に若い娘の白い顔も見える。ボールを投げている少年もある。官吏らしい鰌髭
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手伝いに一日社を休むべく余儀なくされたのである。 机を南の窓の下、本箱をその左に、上に鏡やら紅皿や
ら罎やらを順序よく並べた。押入の一方には支那鞄、柳行李、更紗の蒲団夜具の一組を他の一方に入れようと
した時、女の移香が鼻を撲ったので、時雄は変な気になった。 午後二時頃には一室が一先ず整頓した。「ど
うです、此処も居心は悪くないでしょう」時雄は得意そうに笑って、「此処に居て、まア緩くり勉強するです
。本当に実際問題に触れてつまらなく苦労したって為方がないですからねえ」「え……」と芳子は頭を垂れた
。「後で詳しく聞きましょうが、今の中は二人共じっとして勉強していなくては、為方がないですからね」「
え……」と言って、芳子は顔を挙げて、「それで先生、私達もそう思って、今はお互に勉強して、将来に希望
を持って、親の許諾をも得たいと存じておりますの!」「それが好いです。今、余り騒ぐと、人にも親にも誤
解されて了って、折角の真面目な希望も遂げられなくなりますから」「ですから、ね、先生、私は一心になっ
て勉強しようと思いますの。田中もそう申しておりました。それから、先生に是非お目にかかってお礼を申上
げなければ済まないと申しておりましたけれど……よく申上げてくれッて……」「いや……」 時雄は芳子の
言葉の中に、「私共」と複数を遣うのと、もう公然許嫁の約束でもしたかのように言うのとを不快に思った。
まだ、十九か二十の妙齢の処女が、こうした言葉を口にするのを怪しんだ。時雄は時代の推移ったのを今更の
ように感じた。当世の女学生気質のいかに自分等の恋した時代の処女気質と異っているかを思った。勿論、こ
の女学生気質を時雄は主義の上、趣味の上から喜んで見ていたのは事実である。昔のような教育を受けては、
到底今の明治の男子の妻としては立って行かれぬ。女子も立たねばならぬ、意志の力を十分に養わねばならぬ
とはかれの持論である。この持論をかれは芳子に向っても尠からず鼓吹した。けれどこの新派のハイカラの実
行を見てはさすがに眉を顰めずにはいられなかった。 男からは国府津の消印で帰途に就いたという端書が着
いて翌日三番町の姉の家から届けて来た。居間の二階には芳子が居て、呼べば直ぐ返事をして下りて来る。食
事には三度三度膳を並べて団欒して食う。夜は明るい洋燈を取巻いて、賑わしく面白く語り合う。靴下は編ん
286名無しさん@お腹いっぱい。
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2019/01/13(日) 17:24:20.85
>>435
らっしゃる」「三番町まで行って来る」「姉の処?」「うむ」「およしなさいよ、危ないから」「何アに大丈
夫だ、人の娘を預って監督せずに投遣にしてはおかれん。男がこの東京に来て一緒に歩いたり何かしているの
を見ぬ振をしてはおかれん。田川(姉の家の姓)に預けておいても不安心だから、今日、行って、早かったら
、芳子を家に連れて来る。二階を掃除しておけ」「家に置くんですか、また……」「勿論」 細君は容易に帯
と着物とを出そうともせぬので、「よし、よし、着物を出さんのなら、これで好い」と、白地の単衣に唐縮緬
の汚れたへこ帯、帽子も被らずに、そのままに急いで戸外へ出た。「今出しますから……本当に困って了う」
という細君の声が後に聞えた。 夏の日はもう暮れ懸っていた。矢来の酒井の森には烏の声が喧しく聞える。
どの家でも夕飯が済んで、門口に若い娘の白い顔も見える。ボールを投げている少年もある。官吏らしい鰌髭
の紳士が庇髪の若い細君を伴れて、神楽坂に散歩に出懸けるのにも幾組か邂逅した。時雄は激昂した心と泥酔
した身体とに烈しく漂わされて、四辺に見ゆるものが皆な別の世界のもののように思われた。両側の家も動く
よう、地も脚の下に陥るよう、天も頭の上に蔽い冠さるように感じた。元からさ程強い酒量でないのに、無闇
にぐいぐいと呷ったので、一時に酔が発したのであろう。ふと露西亜の賤民の酒に酔って路傍に倒れて寝てい
るのを思い出した。そしてある友人と露西亜の人間はこれだから豪い、惑溺するなら飽まで惑溺せんければ駄
目だと言ったことを思いだした。馬鹿な! 恋に師弟の別があって堪るものかと口へ出して言った。 中根坂
を上って、士官学校の裏門から佐内坂の上まで来た頃は、日はもうとっぷりと暮れた。白地の浴衣がぞろぞろ
と通る。煙草屋の前に若い細君が出ている。氷屋の暖簾が涼しそうに夕風に靡く。時雄はこの夏の夜景を朧げ
に眼には見ながら、電信柱に突当って倒れそうにしたり、浅い溝に落ちて膝頭をついたり、職工体の男に、「
酔漢奴! しっかり歩け!」と罵られたりした。急に自ら思いついたらしく、坂の上から右に折れて、市ヶ谷
八幡の境内へと入った。境内には人の影もなく寂寞としていた。大きい古い欅の樹と松の樹とが蔽い冠さって
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言葉の中に、「私共」と複数を遣うのと、もう公然許嫁の約束でもしたかのように言うのとを不快に思った。
まだ、十九か二十の妙齢の処女が、こうした言葉を口にするのを怪しんだ。時雄は時代の推移ったのを今更の
ように感じた。当世の女学生気質のいかに自分等の恋した時代の処女気質と異っているかを思った。勿論、こ
の女学生気質を時雄は主義の上、趣味の上から喜んで見ていたのは事実である。昔のような教育を受けては、
到底今の明治の男子の妻としては立って行かれぬ。女子も立たねばならぬ、意志の力を十分に養わねばならぬ
とはかれの持論である。この持論をかれは芳子に向っても尠からず鼓吹した。けれどこの新派のハイカラの実
行を見てはさすがに眉を顰めずにはいられなかった。 男からは国府津の消印で帰途に就いたという端書が着
いて翌日三番町の姉の家から届けて来た。居間の二階には芳子が居て、呼べば直ぐ返事をして下りて来る。食
事には三度三度膳を並べて団欒して食う。夜は明るい洋燈を取巻いて、賑わしく面白く語り合う。靴下は編ん
でくれる。美しい笑顔を絶えず見せる。時雄は芳子を全く占領して、とにかく安心もし満足もした。細君も芳
子に恋人があるのを知ってから、危険の念、不安の念を全く去った。 芳子は恋人に別れるのが辛かった。成
ろうことなら一緒に東京に居て、時々顔をも見、言葉をも交えたかった。けれど今の際それは出来難いことを
知っていた。二年、三年、男が同志社を卒業するまでは、たまさかの雁の音信をたよりに、一心不乱に勉強し
なければならぬと思った。で、午後からは、以前の如く麹町の某英学塾に通い、時雄も小石川の社に通った。
 時雄は夜などおりおり芳子を自分の書斎に呼んで、文学の話、小説の話、それから恋の話をすることがある
。そして芳子の為めにその将来の注意を与えた。その時の態度は公平で、率直で、同情に富んでいて、決して
泥酔して厠に寝たり、地上に横たわったりした人とは思われない。さればと言って、時雄はわざとそういう態
度にするのではない、女に対っている刹那――その愛した女の歓心を得るには、いかなる犠牲も甚だ高価に過
ぎなかった。 で、芳子は師を信頼した。時期が来て、父母にこの恋を告ぐる時、旧思想と新思想と衝突する
ようなことがあっても、この恵深い師の承認を得さえすればそれで沢山だとまで思った。 九月は十月になっ
287名無しさん@お腹いっぱい。
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2019/01/13(日) 17:24:38.92
>>244
が来てから時雄さんの様子はまるで変りましたよ。二人で話しているところを見ると、魂は二人ともあくがれ
渡っているようで、それは本当に油断がなりませんよ」と言った。他から見れば、無論そう見えたに相違なか
った。けれど二人は果してそう親密であったか、どうか。 若い女のうかれ勝な心、うかれるかと思えばすぐ
沈む。些細なことにも胸を動かし、つまらぬことにも心を痛める。恋でもない、恋でなくも無いというような
やさしい態度、時雄は絶えず思い惑った。道義の力、習俗の力、機会一度至ればこれを破るのは帛を裂くより
も容易だ。唯、容易に来らぬはこれを破るに至る機会である。 この機会がこの一年の間に尠くとも二度近寄
ったと時雄は自分だけで思った。一度は芳子が厚い封書を寄せて、自分の不束なこと、先生の高恩に報ゆるこ
とが出来ぬから自分は故郷に帰って農夫の妻になって田舎に埋れて了おうということを涙交りに書いた時、一
度は或る夜芳子が一人で留守番をしているところへゆくりなく時雄が行って訪問した時、この二度だ。初めの
時は時雄はその手紙の意味を明かに了解した。その返事をいかに書くべきかに就いて一夜眠らずに懊悩した。
穏かに眠れる妻の顔、それを幾度か窺って自己の良心のいかに麻痺せるかを自ら責めた。そしてあくる朝贈っ
た手紙は、厳乎たる師としての態度であった。二度目はそれから二月ほど経った春の夜、ゆくりなく時雄が訪
問すると、芳子は白粉をつけて、美しい顔をして、火鉢の前にぽつねんとしていた。「どうしたの」と訊くと
、「お留守番ですの」「姉は何処へ行った?」「四谷へ買物に」 と言って、じっと時雄の顔を見る。いかに
も艶かしい。時雄はこの力ある一瞥に意気地なく胸を躍らした。二語三語、普通のことを語り合ったが、その
平凡なる物語が更に平凡でないことを互に思い知ったらしかった。この時、今十五分も一緒に話し合ったなら
ば、どうなったであろうか。女の表情の眼は輝き、言葉は艶めき、態度がいかにも尋常でなかった。「今夜は
大変綺麗にしてますね?」 男は態と軽く出た。「え、先程、湯に入りましたのよ」「大変に白粉が白いから
」「あらまア先生!」と言って、笑って体を斜に嬌態を呈した。 時雄はすぐ帰った。まア好いでしょうと芳
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を見ぬ振をしてはおかれん。田川(姉の家の姓)に預けておいても不安心だから、今日、行って、早かったら
、芳子を家に連れて来る。二階を掃除しておけ」「家に置くんですか、また……」「勿論」 細君は容易に帯
と着物とを出そうともせぬので、「よし、よし、着物を出さんのなら、これで好い」と、白地の単衣に唐縮緬
の汚れたへこ帯、帽子も被らずに、そのままに急いで戸外へ出た。「今出しますから……本当に困って了う」
という細君の声が後に聞えた。 夏の日はもう暮れ懸っていた。矢来の酒井の森には烏の声が喧しく聞える。
どの家でも夕飯が済んで、門口に若い娘の白い顔も見える。ボールを投げている少年もある。官吏らしい鰌髭
の紳士が庇髪の若い細君を伴れて、神楽坂に散歩に出懸けるのにも幾組か邂逅した。時雄は激昂した心と泥酔
した身体とに烈しく漂わされて、四辺に見ゆるものが皆な別の世界のもののように思われた。両側の家も動く
よう、地も脚の下に陥るよう、天も頭の上に蔽い冠さるように感じた。元からさ程強い酒量でないのに、無闇
にぐいぐいと呷ったので、一時に酔が発したのであろう。ふと露西亜の賤民の酒に酔って路傍に倒れて寝てい
るのを思い出した。そしてある友人と露西亜の人間はこれだから豪い、惑溺するなら飽まで惑溺せんければ駄
目だと言ったことを思いだした。馬鹿な! 恋に師弟の別があって堪るものかと口へ出して言った。 中根坂
を上って、士官学校の裏門から佐内坂の上まで来た頃は、日はもうとっぷりと暮れた。白地の浴衣がぞろぞろ
と通る。煙草屋の前に若い細君が出ている。氷屋の暖簾が涼しそうに夕風に靡く。時雄はこの夏の夜景を朧げ
に眼には見ながら、電信柱に突当って倒れそうにしたり、浅い溝に落ちて膝頭をついたり、職工体の男に、「
酔漢奴! しっかり歩け!」と罵られたりした。急に自ら思いついたらしく、坂の上から右に折れて、市ヶ谷
八幡の境内へと入った。境内には人の影もなく寂寞としていた。大きい古い欅の樹と松の樹とが蔽い冠さって
、左の隅に珊瑚樹の大きいのが繁っていた。処々の常夜燈はそろそろ光を放ち始めた。時雄はいかにしても苦
しいので、突如その珊瑚樹の蔭に身を躱して、その根本の地上に身を横えた。興奮した心の状態、奔放な情と
悲哀の快感とは、極端までその力を発展して、一方痛切に嫉妬の念に駆られながら、一方冷淡に自己の状態を
288名無しさん@お腹いっぱい。
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2019/01/13(日) 17:24:55.12
>>72
半身を照して、一巻の書籍に顔を近く寄せると、言うに言われぬ香水のかおり、肉のかおり、女のかおり――
書中の主人公が昔の恋人に「ファースト」を読んで聞かせる段を講釈する時には男の声も烈しく戦えた。「け
れど、もう駄目だ!」 と、渠は再び頭髪をむしった。 渠は名を竹中時雄と謂った。 今より三年前、三人
目の子が細君の腹に出来て、新婚の快楽などはとうに覚め尽した頃であった。世の中の忙しい事業も意味がな
く、一生作に力を尽す勇気もなく、日常の生活――朝起きて、出勤して、午後四時に帰って来て、同じように
細君の顔を見て、飯を食って眠るという単調なる生活につくづく倦き果てて了った。家を引越歩いても面白く
ない、友人と語り合っても面白くない、外国小説を読み渉猟っても満足が出来ぬ。いや、庭樹の繁り、雨の点
滴、花の開落などいう自然の状態さえ、平凡なる生活をして更に平凡ならしめるような気がして、身を置くに
処は無いほど淋しかった。道を歩いて常に見る若い美しい女、出来るならば新しい恋を為たいと痛切に思った
。 三十四五、実際この頃には誰にでもある煩悶で、この年頃に賤しい女に戯るるものの多いのも、畢竟その
淋しさを医す為めである。世間に妻を離縁するものもこの年頃に多い。 出勤する途上に、毎朝邂逅う美しい
女教師があった。渠はその頃この女に逢うのをその日その日の唯一の楽みとして、その女に就いていろいろな
空想を逞うした。恋が成立って、神楽坂あたりの小待合に連れて行って、人目を忍んで楽しんだらどう……。
細君に知れずに、二人近郊を散歩したらどう……。いや、それどころではない、その時、細君が懐妊しておっ
たから、不図難産して死ぬ、その後にその女を入れるとしてどうであろう。……平気で後妻に入れることが出
来るだろうかどうかなどと考えて歩いた。 神戸の女学院の生徒で、生れは備中の新見町で、渠の著作の崇拝
者で、名を横山芳子という女から崇拝の情を以て充された一通の手紙を受取ったのはその頃であった。竹中古
城と謂えば、美文的小説を書いて、多少世間に聞えておったので、地方から来る崇拝者渇仰者の手紙はこれま
でにも随分多かった。やれ文章を直してくれの、弟子にしてくれのと一々取合ってはいられなかった。だから
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平凡なる物語が更に平凡でないことを互に思い知ったらしかった。この時、今十五分も一緒に話し合ったなら
ば、どうなったであろうか。女の表情の眼は輝き、言葉は艶めき、態度がいかにも尋常でなかった。「今夜は
大変綺麗にしてますね?」 男は態と軽く出た。「え、先程、湯に入りましたのよ」「大変に白粉が白いから
」「あらまア先生!」と言って、笑って体を斜に嬌態を呈した。 時雄はすぐ帰った。まア好いでしょうと芳
子はたって留めたが、どうしても帰ると言うので、名残惜しげに月の夜を其処まで送って来た。その白い顔に
は確かにある深い神秘が籠められてあった。 四月に入ってから、芳子は多病で蒼白い顔をして神経過敏に陥
っていた。シュウソカリを余程多量に服してもどうも眠られぬとて困っていた。絶えざる欲望と生殖の力とは
年頃の女を誘うのに躊躇しない。芳子は多く薬に親しんでいた。 四月末に帰国、九月に上京、そして今回の
事件が起った。 今回の事件とは他でも無い。芳子は恋人を得た。そして上京の途次、恋人と相携えて京都嵯
峨に遊んだ。その遊んだ二日の日数が出発と着京との時日に符合せぬので、東京と備中との間に手紙の往復が
あって、詰問した結果は恋愛、神聖なる恋愛、二人は決して罪を犯してはおらぬが、将来は如何にしてもこの
恋を遂げたいとの切なる願望。時雄は芳子の師として、この恋の証人として一面月下氷人の役目を余儀なくさ
せられたのであった。 芳子の恋人は同志社の学生、神戸教会の秀才、田中秀夫、年二十一。 芳子は師の前
にその恋の神聖なるを神懸けて誓った。故郷の親達は、学生の身で、ひそかに男と嵯峨に遊んだのは、既にそ
の精神の堕落であると云ったが、決してそんな汚れた行為はない。互に恋を自覚したのは、寧ろ京都で別れて
からで、東京に帰って来てみると、男から熱烈なる手紙が来ていた。それで始めて将来の約束をしたような次
第で、決して罪を犯したようなことは無いと女は涙を流して言った。時雄は胸に至大の犠牲を感じながらも、
その二人の所謂神聖なる恋の為めに力を尽すべく余儀なくされた。 時雄は悶えざるを得なかった。わが愛す
るものを奪われたということは甚だしくその心を暗くした。元より進んでその女弟子を自分の恋人にする考は
無い。そういう明らかな定った考があれば前に既に二度までも近寄って来た機会を攫むに於て敢て躊躇すると
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16歳の水野カイトが封印の刀を見つけ、時間が裂けて黒い風と亡霊の侍が現れ、霊の時雨と契約して呪われた刀の継承者となる場面

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