『ブスじぞう』 


昔々、あるところに、大層心優しいお爺さんとお婆さんがいました。 
二人は貧しいながらも幸せに暮らしていました。 

ある年の大晦日。 
二人はせっせと笠を織っていました。 
街で売って、お正月の"もち"を買うためです。 

笠を作り終えた作り終えたお爺さんは、夜の街へと繰り出しました。 
病気がちなお婆さんの分まで、笠を背負って歩きます。 
雪の降る道を進んでいると、お地蔵様が12体並んでいました。 
お地蔵様をよく見ると、頭にも肩にも雪が積もっています。 

「さむそうじゃ😷さむそうじゃ😷」 
見かねたお爺さんは、お地蔵様に積もった雪を払うと、売るはずだった笠をお地蔵様に被せてあげました。 
最後のお地蔵様に笠を被せようとしたとき、お爺さんはあることに気が付きました。 

「ブサイクじゃ👽ブサイクじゃ👽」 

12体のお地蔵様のうちひとつだけ、ブスだったのです。 
ついでに笠も11個しかないことに気付きましたが、もとよりブスにあげるものなどありません。 
お爺さんは「嫌なものを見たな」と、その場を去ろうとしました。 
その時です。 

「オイ!ギブミーつってんだろ!」 
どこからかドブボが聞こえてきました。 
辺りを見回しても、お地蔵様しか見当たりません。 
「オイ!ギブミーつってんだろ!」 
今度ははっきりと、ブス地蔵の方から聞こえてきました。 

ブス地蔵がドブボで話しかけます。 
「笠が足りねえ?ほいでー、ジジイのを寄越せばいいのではー?天才なのではー?」 
お爺さんはやれやれといった顔で答えます。 
「わしのかさこれはやらん。じゃが、ブスをなんとかしてやることはできる」 
そう言うとお爺さんは、ぶいちゅっばのガワをブス地蔵に投げつけました。 

「しゅん!ブス隠せ申した。かわいさドバドバなのではー?」 
ブス地蔵は大層喜びました。語録しか言えんのか。 

町で売るものが無くなってしまったので、お爺さんは仕方なくうちへ帰ることにしました。 


その日の夜のことです。