「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
控え室から飛び出したアイが目にしたのは、2階席まで埋めつくさんばかりの観客だった
溢れんばかりのスパチャが投げられ、トレンドはバーチャルユーチューバーが席巻していた
どういうことか分からずに呆然とするアイの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「開演ですね、盛り上げていきまーしょうッ!」声の方に振り返ったアイは目を疑った
「ア・・・アカリちゃん?」  「おーやーぶーん、まさか居眠りでもしてたんすかw?」
「る・・・月ちゃん?」  「ぱいーんですよアイさん、まだ始まってもいないんですから」
「シロちゃん・・・」  アイは半分パニックになりながら出演者一覧を見上げた
1番:ときのそら 2番:猫宮ひなた 3番:ミライアカリ 4番:キズナアイ 5番:電脳少女シロ 6番:富士葵 7番:輝夜月
暫時、唖然としていたアイだったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
YUAからマイクを受け取り、ステージへ全力疾走するアイ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、バーチャル空間で冷たくなっているキズナアイが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った