パパちゃに連れて来てもらった回らない寿司屋で特上寿司をほおばるれむちゃ
「このマンボウおいしいれむ!」
その様子に目を細めて優しく見つめるパパちゃが大人の余裕でそれとなく諭す
「れむちゃ、そのお魚はマグロって言うんだよ」
「MGRなら知ってるれむ!教室で飼ってるマンボウがよく動画に使ってるれむ!」
「(……?)れむちゃは本当に物知りさんだねぇ」

一貫で\3,000以上はする大トロばかりを次々に追加で注文するれむちゃにむしろ
寿司店の大将のほうが気を遣ってパパちゃに目配せをする
(……いいんですか?)
(いいんだ。握ってやってくれ。)
無言で頷いたパパちゃの視線が隣で次の「マンボウ」を待ち受けてウッキウキな
少女の瑞々しい肢体を服の上から舐めまわす
(この娘には投資に見合うだけの価値がある……)

勘定を終え、店を出た二人は夜の繁華街を歩き始める
「れむちゃ、この後…」「分かってるれむ」
パパちゃが最後まで言い終わらないうちにその言葉を遮るように答えるれむちゃ
声からは固い決意が感じられ、パパちゃを見上げるその目には暗い光が宿る
「れむ、これから行くところで何でもパパちゃの言うこときくから。でもそのかわり」
「こないだ買ってあげたCubase、あれじゃまだ足りないのかい?」
(ほしいVSTプラグインがいっぱいあるれむ……れむがハイクオリティな音MADを
作って人気者であり続けるためには絶対に必要れむよ……!)

おもむろにパパちゃの腕を取って自分の胸に押し付けるようにしてしなだれかかり
戦略的上目遣いでパパちゃの目を覗き込むれむちゃ
「……分かった。パパちゃの負けだ。れむちゃが欲しいもの何でも買ってあげるよ」
「わーい!れむパパちゃだいすきー!」
「こんなあざやかな手口、れむちゃはいったいどこで覚えたのかな?」
「ひっどーい!れむ、こんなこと(パパ活)するのパパちゃが初めてだよ(大嘘)?」

(清純そうな見た目なのに、この娘そうとう慣れてるな。今夜は色々楽しめそうだ)
(深淵みたいな陰キャなんかに負けるわけにはいかない……。ハイクオリティな
動画で数字を稼いで、絶対にしりり君を振り向かせてみせる!)
親子ほども歳の離れた男女は互いに交錯することのないそれぞれの思いを胸に
欲望渦巻く夜の街へと消えて行く――――。