「ごめんピノちゃん!遅くなっちゃった🍒」
夏の日差し。入道雲。セミの鳴き声。
「今日も暑いからピノちゃんの好きなアイス、買ってきたゆえー🍒」
アイドル部の解散から数年の時が経ち、あの華やかで忙しい日々は幻だったかのような日常を花京院ちえりは過ごしていた。
「懐かしいなあー、さくらんぼアイスの初配信、覚えてる?🍒」
「あの日もこんな暑い夏だったねー。ゲーム出来なかったね…🍒」
「楽しかったなあ…アイドル部…みんなどうしてるのかなあ🍒」
遠くの空をぼーっと見あげながら、青い瞳に涙を貯めた。
「…また来るね、ばいばいピノちゃん🍒」
そう言い残し、ちえりは足早に去って行った。
<カルロ・ピノ>
彼女が眠る墓標に供えられたハート型のpinoが、夏の日差しで溶け始めていた。