バーチュルユーチューバーとして配信者を始める前の私はしがない大学生だった。映画監督としていくつか作品を撮ったり、ヒロピンマンガを描いて欲望を満たすだけのどこにでもいる美大生だった。
私は常に何か面白い奇異なものを探し求めていた。大声を出せる試食のバイトや、胎児の形をしたクッキーなど、それはそれで楽しかったけれど、どこかにこれ以上の楽しみがないかと常に探してきた。
そんな時に「バーチャルライバー」の募集の広告を見つけた。どうやら私の大好きなアイドルマスターのように、二次元のアイドルになれる仕事らしい。私は応募をしてみた。
応募の動画は募集要項よりもずっと長い動画を出した。熱意が伝わったのか、あっさりと合格できた。
バーチャルユーチューバーを始めてから、私は「わたくし」として、バーチャルJK月ノ美兎として活動し始めた。会社から支給されたスマホで、二次元の被り物で「わたくし」を演出する。映画監督をやってきた私には天職のようだった。

ダメだ。力尽きた。