国土利用計画法による届出情報も万全ではない。売買契約締結後、2週間以内に届出することを義務づけているが、実際の取引現場での認識は低い。国はその全国情報を毎年集計し公表しているものの、
届出の捕捉率は把握できていない。この届出業務が自治体の仕事(自治事務)であるからだ。

 海外からの投資という面で見ると、外資による投機的な土地買収は全国で約3700ヘクタール(2007年度〜2010年度)である(注5)。
ただ、外為法で規定されたこの報告ルールも、その捕捉率は不明だ。しかも外為法の体系では、非居住者(外国に住む人)が他の非居住者から不動産を取得した場合は、
報告義務の対象外である(外国為替の取引等に関する省令第5条第2項10)。

 国交省・農水省は外資による森林買収情報を集めており、これまで全国で約800ヘクタールが買収されたと公表した。定義がそれぞれ異なるため、
数値は一致しないが、北海道は独自調査を進めており、道内で57件、1039ヘクタールが外資に買収されたと公表している。今後、こうした物件がさらに外資へ転売された場合、所有者情報は追えなくなるだろう。

国土の所有実態を行政が把握しきれない――。
「外資の森林買収」で露呈した根本問題はここにある。