著名投資家ウォーレン・バフェット氏は子供の頃からコーラやガムを自ら仕入れて小分けして転売したり、
また、まだ10代だったにも関わらず競馬場で無許可の予想紙を売ってお小遣いを稼いでいました。

バフェット氏の予想ビジネスは、客がレースに夢中になって賭ければ賭けるほど儲かります。
実際、1レースだけ賭けて帰る客などおらず、多くの客は何レースも賭けて、買っては負けてを繰り返して結局損をしていました。
一方、バフェット氏はどんどんお小遣いを稼いでいたわけです。

ここからバフェット氏は、競馬は「勝つ自信のあるレースにだけ賭けること」そして「勝つ自信のないレースには決して賭けないこと」を原則としました。
競馬場にいれば賭けるチャンスは次から次へと転がってきますから、すべてのレースに賭けていれば、客同様に最終的に損をしてしまうだけだからです。

しかし、ある日バフェット氏は勝つ自信のあるレースを外してしまったことを悔しがり、
次のレース、そしてまた次のレースとどんどん賭けてしまい、結局一日で175ドルも損をしてしまったのです。

自分で決めた原則を破ってしまったせいで、損を膨らませてしまたことをひどく後悔したバフェット氏は、
以降、自分で決めた原則はとことん忠実に守り抜くことを固く誓いました。

現在、バフェット氏の投資スタイルが「自信のある一握りの優良株にだけ集中投資する」ということを考えると、競馬の原則を忠実に守っていることがわかります。

さて、バフェット太郎も「連続増配高配当株10社に均等分散投資して、毎月最後の金曜日に組入れ比率最低銘柄を5000ドル買い増す」ということを投資ルールにしています。

こうした投資ルールを設けることで、熱くなって同じ銘柄を何度も際限なく買い増すなんてことを避けられますし、機械的に不人気優良株に再投資することができます。

とはいえ一貫した投資ルールには注意点もあります。それはルールそのものが間違っている場合、永遠に間違ったことをしてしまうことになりかねません。

たとえば仮想通貨や将来有望の新興小型株に投資してバイ&ホールドするなんていう投資ルールです。
不確実性の高い資産への集中×長期投資はリスクが大きすぎるので、投資ルールとして間違っています。

しかし、安定したキャッシュフローが期待できる一握りの優良株への長期投資は、確実性が高いことから投資ルールとして正しいです。

一方で、「買値から5%値下がりしたら損切りする」「買値から10%値上がりしたら利食いする」という投資ルールは仮想通貨や新興小型株の投資ルールとしては適していますが、
安定したキャッシュフローが期待できる銘柄への投資ルールとしては間違っています。

このように、何に投資するかで投資ルールが変わりますから、自分が何に投資したいのか、そしてそれにあった原則は何なのかっていうことに気を付けてください。