もとおり‐のりなが【本居宣長】
江戸中期の国学者、語学者。伊勢国(三重県)松坂の人。
通称、彌四郎。号は鈴屋(すずのや)。
京に出て、堀景山に漢学を学び、堀元厚について医学を修業したが、契沖の書に啓発されて古典の学に志し、「源氏物語」「万葉集」などを講じた。
賀茂真淵に会ってから古道研究の素志を固め、「古事記」の研究に着手し、「古事記伝」を完成した。
彼の家学は、子春庭、養子大平に継承され、後世に大きな影響を与えた。
著作は他に「源氏物語玉の小櫛」「古今集遠鏡」「てにをは紐鏡」「詞の玉緒」「玉勝間」「うひ山ぶみ」など多数。
享保一五〜享和元年((一七三〇‐一八〇一))
精選版日本国語大辞典 (C) SHOGAKUKAN Inc.2006
もとおり‐のりなが【本居宣長】 もとをり‐
□一 [1730〜1801]江戸中期の国学者。国学の四大人の一人。伊勢の人。号、舜庵(春庵)・鈴屋(すずのや)。京都に出て医学を修める一方、源氏物語などを研究。のち賀茂真淵に入門、古道研究を志し、「古事記伝」の著述に30余年専心。また、「てにをは」や用言の活用などの語学説、「もののあはれ」を中心とする文学論、上代の生活・精神を理想とする古道説など、多方面にわたって研究・著述に努めた。著「うひ山ぶみ」「石上私淑言(いそのかみささめごと)」「詞の玉緒」「源氏物語玉の小櫛(おぐし)」「古今集遠鏡」「玉勝間」「鈴屋集」など。
□二 小林秀雄の長編評論。昭和40年(1965)から昭和51年(1976)まで「新潮」誌に連載。最終章を書き下ろし、全体を調整した上で、昭和52年(1977)刊行。翌年、第10回日本文学大賞受賞。
→本居
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