再び「ヴ」の表記について 大切にしたい当事者の思い 三品信(文化芸能部):中日新聞Web
https://www.chunichi.co.jp/article/693689

再び「ヴ」の表記について 大切にしたい当事者の思い 三品信(文化芸能部)
2023年5月21日 05時05分 (5月21日 12時00分更新)

 新聞の記事と「ヴ」の表記について、1月8日のこの欄で私の提言をつづったところ、賛否の意見をいくつもいただいた。深く感謝しつつ、「ヴ」表記の問題を再び考えてみたい。
 【前の記事はこちら】「V」の発音「ヴ」の表記 選択の自由広げませんか
 私の提言は、現在「バ、ビ、ブ、ベ、ボ」で置き換えている外来語の「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」の表記を、新聞でも認めては、という内容だった。
たとえば「バイオリン」なら、諸外国の発音により近い「ヴァイオリン」とするものだ。
 これに対して「ヴ(V)だけ取り上げたのは違和感がある。
たとえばLとRはどうなのか」「外国語の発音をすべてカタカナに置き換えて完璧に表現するのは不可能」などという批判があった。
特に後者は私も同感だが、完璧な表現は無理でも、原語の発音になるべく近い表記を工夫することはできよう。
日本語表現を豊かに
 いま50代の私が幼い頃、新聞はシェパードを「セパード」エックス線を「エクス線」などと書いていた。
だが次第に表記の基準が見直されて、今日では「シェパード」「エックス線」が普通になった。
そうした見直しは、新聞と、日本語の表現をより豊かにしてきたと思う。

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