破綻のフリーテルと好調のファーウェイ 明暗の理由

フリーテルのスマホは、日本で設計して中国の業者に
委託製造する仕組みを採用することで端末代金を安価に抑えている。
そのため、コストパフォーマンスに優れていることが人気につながった。

プラスワンは端末の海外販売も積極化。
カンボジアやメキシコなどの新興国を中心に22カ国に進出し、
事業を順調に拡大していたように見えた。
それだけに、通信事業だけでなく、
端末事業まで深刻な経営不振に陥っていたことには驚かされる。

両社の明暗を分けた決定打は「端末の品質」にあったのではないかと筆者はみる。
フリーテルの端末利用者からは、故障や品質のばらつきを
指摘する意見を耳にすることが多かった。
「日本品質」をうたいながらも、利用者からは
「安かろう悪かろう」の印象を持たれていたようだ。
「日本メーカーとして世界一を目指す」としてラインアップを急拡大する一方で、
日本の利用者が最重視する端末の品質をおろそかにしたことで、
信頼を失ったともいえそうだ。

一方のファーウェイは、かつて筆者が同社の関係者に取材した際に
「長年大手キャリアと取り引きをした経験から、
日本の利用者は端末の品質に対する意識が非常に高いことを学んだ」
と何度も口にしていた。
そこで同社は企画の段階から、製造、搬送に至るまで、
徹底して品質を重視する取り組みを進めており、
それが利用者の信頼を得て、販売台数の増加につながったのだろう。

「日本品質」を強く訴えた日本企業より、
海外の企業の方が品質面で信頼を獲得したというのは何とも皮肉な話だ。

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